ウシュアイア

イエスタデイをうたってのウシュアイアのレビュー・感想・評価

イエスタデイをうたって(2020年製作のアニメ)
3.2
大学を卒業して何となくフリーターになった魚住陸生、陸生の同級生で地元の学校の非常勤講師を経て東京で教員をしているオカン系女子・森ノ目榀子、榀子の元教え子で陸生に一目ぼれして追いかけるフリーターの野中晴、榀子の幼なじみで元恋人の弟で美大志望の高校生の早川浪、それぞれいろいろとこじらせ、恋愛に不器用な4人をめぐるラブストーリー。


ストーリーはじれったいほどゆっくりと進み、感情の機微を見せる作品。

多くの人は最初から器用に失敗なく恋愛をすることができるわけではないので、恋愛の達人でもない限り共感できる部分は多少なりともあると思う。恋愛関係によって現状の変化を拒むのも分からなくもない。元同級生の友人からの恋愛への移行の難しさがよくわかる。しかし、シナコほど極端になってしまうと、理解しづらい。せっかく人を好きになる感情は相手によって違い、前の恋人と同じ気持ちにならなくてもいいということに気づいたというのに。

しかし、携帯、ネットのない時代(90年代)の恋愛は大変だ。電話がつながらなければ家まで行ったりしなければならない。その分一緒にいる時間を大切にできたのかもしれない。

リクオもシナコもキャラが立っていないので、抑制的な演技が求められ、かなり難易度の高い役どころだが、小林親弘さん花澤香菜さんともに上手かった。
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