にゃん

江戸モアゼル~令和で恋、いたしんす。~のにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

3.6

このレビューはネタバレを含みます

岡田結実ちゃんさすがです。
女子高生の無駄遣いで結実ちゃんの演技が好きになり今回も期待して視聴しました。

コメディー要素は少ないものの、しっかり笑わせに来るところはちゃんとオトしてくる所がさすが。あの感じは結実ちゃんならではかと。
それにしても花魁メイクがとても似合っていて綺麗でした。

ストーリーも素敵。
最後、仙夏が江戸に帰る時、蔵地の引く車の中で「くらじくらじくらじ」と"おまじない"だと言って必死に連呼する姿が、江戸に帰っても蔵地のことを忘れたくない忘れないようにとの思いで言っていると気づいた時、凄く涙が溢れた。現代にとどまれば江戸のことを忘れてしまう仙夏。しかし江戸に帰ればお互いにお互いの記憶が薄れていく定め。記憶を残そうと抗う仙夏と蔵地が切ない。
蔵地も仙夏と最後の思い出に、とスカイツリーに登り、「この景色だけは忘れたくない」と仙夏をすっかり忘れてしまった1年後でもスカイツリーをいつもの場所から描き続ける無意識下での想いに感動した。

そして誰もがすっかり仙夏のことを忘れてしまった時に、寿乃がバイト先の出版会社社長からオススメだと手渡された一冊の江戸の書物。
それを寿乃が家に持ち帰り蔵地に渡り、読みはじめる蔵地。それは仙夏が江戸に帰ったときに"令和での思い出を忘れないように"と綴った日記。読むうちに走馬灯のように思い出す仙夏のこと。なんでこんなに大事な事を忘れてしまっていたんだ!とばかりに家を飛び出しあのスカイツリーの場所へ走る。その蔵地の必死な表情にも涙した。

でもまさか仙夏がもう一度タイムスリップして(令和を去った日から1年後だったけれど)再び現代に戻ってくるとは。ほうき星がずっと地球に接近したままだった奇跡。

時系列的には蔵地が仙夏のことを思い出す前に2人はすれ違い、自分の事を忘れてしまった様子の蔵地に寂しさを覚えていたところだった。
再び再会し、仙夏を忘れてしまっていたことを詫びる蔵地。それでも書物を読んで思い出した蔵地は凄いと思う。ギリギリの所で抗えたわけだ。

最後、書物を寿乃に渡した社長が長兵衛だったという展開を期待したが"寿乃という女性に会ったら渡すように"と代々受け継がれてきたもので、目の前にいる人は長兵衛の子孫だったという展開が無理がなく自然でよかった。
書物乃最後のページに「蔵地寿乃へ感謝を込めて その幸せを祈る 岩佐長兵衛」とあり、それを見た事で長兵衛の事を思い出す。嬉しそうな寿乃の表情が良かった。


ストーリー↓
江戸時代の伝説的花魁・仙夏(岡田結実)が突然現代にタイムスリップ。ひょんなことから仙夏は蔵地(葉山奨之)の家に居候することになる。仙夏は、蔵地が働くカフェでアルバイトを始めるが、吉原の花魁流の接客をする仙夏にまわりはてんやわんや。そんな中、蔵地が密かに想いを寄せる友人・泉美(吉谷彩子)がカフェを訪れる。蔵地の恋心に気付いた仙夏は、花魁のテクニックを駆使して蔵地と泉美を結びつけようとする。

仙夏は、泉美の会社の社長・鳥居(前田公輝)が江戸での思い人だった直次郎に違いないと興奮を隠せない。鳥居に近付くために、仙夏は秘書の採用試験を受けることに。どうせ落とされるだろう、という蔵地の予想を裏切り、なぜか仙夏の採用が決まる。そんな中、仙夏と蔵地は、鳥居が綾子(堀田茜)という女性と二人きりで会っているところを目撃する。仙夏は恋のライバル出現に闘志を燃やすが、取引先の心を一瞬にして掴んだ仙夏を認め、綾子のことは用済みだと切り捨てる。情のない振る舞いに腹を立てた仙夏は直次郎とは見た目のみで中身は別人だと怒り秘書を自主退職する。しかしそんな仙夏に心惹かれた鳥居。

鳥居からの申し入れで、仙夏は、鳥居とお試しで2週間だけ付き合うことになった。浮かれる仙夏に、蔵地はなんとなく気が気ではない。そんな中、お姫様のようなドレスを着た姫子という女性が仙夏を訪ねてくる。動画クリエイターを名乗る彼女は、仙夏にコラボ動画の配信を持ち掛ける。仙夏と姫子のコラボ動画は大きな反響を呼び、花魁キャラで大ブレイクする仙夏。しかし、姫子は店の評判を上げてから落とす趣味の悪い炎上人で、カフェ蔵も餌食に。仙夏は責任を感じて御百度参りをする。その姿に周りは感動し許すのであった。

仙夏は、寿乃と合コンに参加することに。花魁として合コンを盛り上げようと、仙夏は大張り切り。合コン相手の宮田(佐野和真)と意気投合した寿乃は、順調に恋愛を進めるが宮田は実は既婚者。"仙夏ちゃんがなおさんを想うような素敵な初恋がしたい"と後ろ髪引かれる思いで別れたのであった。一方、蔵地は泉美にキスされて以来、彼女とどう接していいか分からなくなっていた。鳥居は、仙夏のことが気になり、仕事が手につかない。

仙夏は、両思いになった蔵地と泉美を温かく見守る。そんな中、カフェの店員松野(森田甘路)の娘・百合(牧野羽咲)と仙夏は、人気プロデューサーのクリス・パンサー(エハラマサヒロ)が手掛けるオーディションに参加することに。しかし百合がアイドルになりたかったのは再婚する母に戸惑い家から出たかったからであった。"新しいお父さん"が出来ることに戸惑っていた百合。松野にお父さんが2人いてもいい?と子供らしい遠慮をみせたのだった。
一方、仙夏を振り向かせるため策を巡らせる鳥居、仙夏への想いがこぼれはじめる蔵地。

花魁・仙夏を追い江戸から来た武士・長兵衛(一ノ瀬颯)が現れ、仙夏は江戸に戻る決意をする。仙夏を愛する鳥居、仙夏に嫉妬する泉美を交え激論になるが、蔵地は何も言うことができない。そんな中、蔵地の誕生日が近付き、泉美は彼をディナーに誘い、仙夏はマフラーを渡すサプライズを企む。一方、長兵衛は仙夏のために大金を稼ごうと、騙されたままオレオレ詐欺に手を染める。悪党だったと知り抵抗する長兵衛に殴りかかる連中。そこに乗り込む仙夏だったが危ない所で蔵地に助けられる。蔵地は泉美とのディナーを抜けてきたのだ。泉美の嫉妬は爆発する。

仙夏は、鳥居の妻になると決意。蔵地は「著名人である鳥居の妻が身元不詳の女性では世間に騒がれる」と2人の結婚に大反対。鳥居は、表向きは仙夏との結婚を秘密にすると言うが…。仙夏は、鳥居にふさわしい妻になるため、セレブとの交友関係に努力する。一方、仙夏への思いを持て余す蔵地に、恋人・泉美の心も揺れる。仙夏と鳥居、そして泉美と彼女を介抱している鳥居のツーショット"結婚&不倫していた!"という週刊誌記事が出て世間は大騒ぎになる。しかしワチは男遊びしていただけだと会見にひとり出て鳥居を弁解する。週刊誌の早とちりだったと世間は終息する。

仙夏は「お前は蔵地が好きだ」と鳥居に指摘され、戸惑いを隠せないでいた。そんな中、カフェ“蔵”に蔵地の父で不動産会社社長の幸春(手塚とおる)がやってくる。カフェに土地を貸している幸春は、赤字を理由に立ち退きを命じるが、仙夏は反発。「売上げを倍にすれば店を続けてもいい」という約束を取り付ける。一方で蔵地は泉美からかつての夢だったイラストの仕事を依頼され奮闘。
あと一歩の所で目標に届かなかった売上だが、蔵地が"お父さんの言う事を何でもする、だから皆の居場所を奪わないでほしい"と直談判。その熱意に負けた父は土地を蔵地に譲ることに。立ち退きの件はなくなったのであった。

花魁・仙夏は蔵地との不器用な恋を実らせ、初めてのデートに出かける。ところが、その帰り道、仙夏は高熱を出して倒れてしまう。翌日、体調が回復した仙夏だが、「江戸の記憶」が薄れ始めていた…。
一方で、江戸に戻る方法を探していた長兵衛は、ついにタイムスリップの原因を突き止める。満月、足が地から離れている事、そしてほうき星が地球に最も接近している時。その条件が10日後に揃うという。

江戸に帰ることを決心した仙夏は、すっかり花魁らしさを取り戻す。蔵地は最後の思い出を作るため、仙夏がずっと登りたがっていたスカイツリーの展望台へ連れていく。
そんな中、鳥居が、突然会社を辞めて姿を消す。鳥居は泉美への想いを自覚し、これ以上好きになる事を恐れて彼女から離れていたのだった…。
森でひとりミニマリストとして暮らし始めた鳥居。しかし要らないものを全て捨てて残ったのは春日泉美だ、と後日会社へ来て泉美へプレゼンする。無事2人は"結婚を前提にまずはお友達から"始めるのであった。
仙夏と長兵衛は無事江戸に戻る事が出来るが、ずっと部屋に籠り「東京での思い出を忘れないように」とひたすら執筆し続ける仙夏に「ほうき星が何故かまだ空にあるから、もう一度令和へ戻れるかもしれない」と提案。仙夏の蔵地への思いの強さに長兵衛は折れたのだった。

令和へ戻った仙夏。しかしそこは戻ろうとした年から1年後。あの蔵カフェへ行くも周りはすっかり仙夏のことを忘れていた。蔵地は忘れないはず、そう思い蔵地がいると聞いた場所へ走り蔵地を見つけるも、彼は自分のことを認知せず通り過ぎてしまう。頑張って令和に戻るも一人ぼっちの仙夏。スカイツリーの見える蔵地との思い出の場所で立ちすくむ。
一方、家に帰った蔵地は店長と自分が約一年書きためたスカイツリーのスケッチを見ていた。初めの頃に書いていた絵には着物姿の女性が。これは一体誰だろう、と話していたとき帰宅した寿乃から「社長から貰った」と一冊の書物を手渡される。中を開くとそこには仙夏の綴る令和での思い出が。同時に走馬灯のように思い出す仙夏との日々。蔵地は慌てて思い出の場所へ走り、そこで立ちすくむ仙夏にかけより謝るのだった。

お互いの事を考えて離れる事を選んだ2人だったが、離れてみて深く後悔した2人。もう離れない。
再び令和で暮らす事となった仙夏。
カフェのメンバーは仙夏の事を思い出さなかったが、蔵の店長も仙夏の事を認知している、というエンド。
にゃん

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