にゃん

神の手のにゃんのネタバレレビュー・内容・結末

神の手(2023年製作のドラマ)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

(吉岡里帆の自然体な髪型や顔立ちが素敵すぎて見入っていた)
作品の内容自体は最初の怪しい雰囲気から徐々に恭子という人物像が明らかになっていき、ごく普通の事件へと印象が変わっていった感じ。恭子という掴みどころのない女性に男2人が翻弄されたストーリーって感じかな。

内容
「新世紀文学賞」授賞式に出席したジャーナリスト・木部美智子(吉岡里帆)は、「週刊フロンティア」編集長・真鍋竹次郎(尾美としのり)から、受賞作の本郷素子(山本未來)『花の人』に盗作疑惑があると聞く。だがゴシップに興味がない美智子は、そんな噂よりも、素子を見て冷たい笑いを浮かべる「新文芸」編集長・三村幸造(安田顕)が気になっていた。翌日、担当編集者の中川春樹(橋本良亮)と打ち合わせ中、美智子は真鍋に盗作の取材を依頼されるが、3年前に起きた「静岡児童連続誘拐事件」の件で忙しいと拒否する。いまだ1人の子供が行方不明のまま未解決の事件で、美智子は今も真相を追い続けていた…。一方、三村のもとには静岡の心療内科医・広瀬達也(大谷亮平)から不可解な問い合わせが来ていた。患者の高岡真紀(市川由衣)が「自分は小説家で三村をよく知っている」と言い始めたという。三村にまったく覚えはなかったが、彼女が郵送してきた原稿を見て驚愕する…。それは、かつて三村が担当した作家志望の女性で、その後失踪した“来生恭子”(入山法子)が書いた世に出ていない小説だった。その直後に訪ねてきた真紀は、その身なりや口ぐせまで恭子と一緒だった…。彼女は実は恭子の恋人であった広瀬にお願いされて恭子のフリをして三村に近づいたのだ。広瀬は恭子の失踪には三村が関係していると睨んでいたため揺さぶったのだ。
高岡は『花の人』の盗作疑惑を追っていて美智子の元同僚だったが、ある日謎の転落死を遂げる。
事件の真相、それはまず恭子と広瀬があるパーティーで出会ったのが始まりだった。それから2人は素敵な時を過ごした。(この時の話が後の「花の人」となる。)恭子はある時心に物書きの怪物を飼うことになる。頭で考えなくても心が勝手に言葉を生み出しストーリーにしていく。この作品を三村に見せたところ三村は作品と恭子の虜になっていく。ある時恭子は子供を自分の手で殺してみたくなった。ある公園で子供を拉致し自宅で殺害、子供を殺した一報を受けた三村は慌てて恭子の元へ急ぎ、自分が生まれ育った既に廃村となった村へ死体を遺棄しに行く。恭子は後日その一部始終を「3月12日」というタイトルで作品として三村に見せるが作品を削除しろと言われた事で隠しフォルダへ移動させた。恭子が変わっていく様子に恋人の広瀬は恭子が人間でなくなってしまいそうで焦っていた。
ある時恭子は死体遺棄後に連れて行ってくれた岬へまた連れて行ってほしいと三村に頼む。すると張り出した崖っぷちに立った恭子は振り返り三村に笑いかける。三村がその肩を押したのか、恭子が自分から落ちたのか、今となっても三村でさえ分からないが恭子はそのまま亡くなる。自宅に残された最後の作品のタイトルは「自殺する女」、遺書ともとれる心情が描かれていた。三村はそのパソコンに不都合なものがないか探っていた際、自分には見せられていなかった「花の人」を見つける。あまりにも素晴らしい作品にこのまま眠るのはあまりにも勿体ないと感じ後に盗作疑惑になるリスクを考えてでも別の作者の名前で世に出したのだ。
恭子の死は遺体が出ないために失踪という形になる。しかし腑に落ちない広瀬は取材で出会った高岡にパソコンに眠る作品をひとつ持たせ恭子がまるで乗り移ったかのように演技させる。そうやって三村を揺するつもりだったが活躍に乏しい現状を変えたい高岡はネタをバズらせるために恭子を追って記事にした方が面白いのではと勝手に動こうとする。意に反した動きをする高岡を邪魔に感じた広瀬は図らずも非常階段で揉み合いになり転落させてしまったのだった。
真相に辿り着いた美智子は三村の故郷の廃村へ。そこには思った通り発見を恐れて子どもの死体を掘り起こす三村がいた。そこで美智子は三村を問いただし推論と合わせていく。そこに警察が到着し三村は逮捕される。三村は警察で、子どもを殺したのも恭子を殺したのも自分だと自供する。きっと凄い作品を生み出した恭子の"神の手"を汚したくなかったのであろう。
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