Mayo

ヤング・ロイヤルズ シーズン1のMayoのレビュー・感想・評価

4.0
スウェーデンドラマは初めて!

問題を起こして寄宿学校に転校してきた皇太子が、ワーキングクラスのお家の男の子と出会い恋に落ちるというお話。
ハートストッパーにハマったら、なにかとヤングロイヤルズと対比されているのでどんな感じかと思って観てみたら、本当に光と闇というくらい全く違う描き方をしていて、こちらはもちろん闇。心にじっとりとくるなかなかのしんどさ。だけど美しくてこの痛さがなんだか懐かしくもあり、やみつきになる。

ヴィルヘルムとシーモンの2人が美しい。
ヴィルを演じるEdvin Rydingは、聡明で品のある感じ。しっかり王子様だけど、責任感のない次男感がぴったり。あーもう自分で決めろよ〜とモヤモヤすること多々。
もともと子役から活躍している俳優さんでまだ19歳。インタビューなど見ていると、英語もペラペラで、答えの濃度も濃く、すばらしい俳優さんです。

シーモンは、本当に歌が上手い!演じているOmar Rudbergは、もともとはボーイズバンドで活躍していた歌手で、演技はこれが初めてとか。なのにその小悪魔っぷりと言ったら!
複雑な家庭の設定なので、スウェーデンの人たちってみんなハッピーに暮らしてて、子育て先進国なイメージだったけど、そっか、こういうご家庭もあるよね…ごめんシーモンという気持ちになった。

シーモンと出会い初めて恋心を知ったヴィルだけど、何度も期待させては、結局王子としての体裁を守ってしまうので、本当にモヤモヤさせられる。シーモンがかわいそすぎるぞ。

そしてヴィルのいとこのアウグストが最低なやつすぎて腹立つんだけど、この人はこの人で可哀想な人だし、ヴィルにとっても兄の代わりみたいなところがあって、その辺りの作りがとてもよくできていた。

他の登場人物も、ADHDだったり、ヒロイン的な存在のフェリスはふくよかな感じだし、フェリスのルームメイトは英語しか話さないキャラクターだし、エキストラの中にスキンヘッドの女性がいたりとさまざまで、スウェーデン文化興味深い。でも王子様が子供作れないのは問題なんだーへーと思った。

それからこのドラマはみんなお肌をメイクでカバーしすぎず、ニキビや肌荒れをわざとそのままにしているということで、特にヴィルとフェリスが結構な肌荒れ具合なんだけど。10代ってニキビできるよね…良い試みだと思った。ヴィルの目元辺りに傷があるんだけど、それが彼の痛々しさを表しているようで妙に良い。

Intimateなシーンも、インティマシーコーディネーターが入って、とても美しく撮影されてます。特にシーモンの部屋で魚の名前を尋ねるシーンは、かなり印象的だった。

結構ずっしり来るけどまた観たくなる。
アメリカのドラマで生きてきた私だけど、いまは世界中のドラマがこんなに近くにあって幸せだ、と思わせてくれた。
Mayo

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