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ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪えのkuuのレビュー・感想・評価

3.9
『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』
原題:종이의 집: 공동경제구역.(紙の家:共同経済区域)
英題 : Money Heist:Korea.
製作年2022年。
全6話。
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統一を控えた朝鮮半島を背景に、天才的戦略家とそれぞれ違った個性や能力を持つ強盗たちが奇想天外な場面に出会いながら繰り広げる人質強盗劇を描いた作品。
スペインドラマ『ペーパー・ハウス』が原作。

南北統一後の朝鮮半島で使われる統一通貨を狙い、造幣局に侵入し、人質を取った泥棒集団。
警察は、この強奪計画を裏で操る天才的犯罪者を止めることはできるのか。。。

ドラマにおいてシーズン1やと、イカしたキャストに加え、生き生きとした冒険が展開される事が多い。
今作品も韓国作品フリークにはイカしてる俳優陣が多数でてました。
造幣局長役のパク・ミョンフンはヘタレ役がめちゃ似合ってる😃笑かしよる。
また、統一韓国造幣局のセットデザインは、迷路のようで、その多用途性において評価に値するし、南北統一の夢の架け橋のよう。
オリジナル版『ペーパーハウス』を観てた人なら、この韓国版リメイク版を支えるおなじみの物語とキャラ構造にも気づく方もおられると思いますが、個人的には韓国版の方が馴染みある人々(アジアンテイスト)や、文化面では見やすいかな。
オリジナル版はシーズン3からどうも求心力(個人的に倦た)が失せてしまい途中で視聴を投げ出してる。
今作品にもオリジナル版同様に緊張を煽りながら情報を隠蔽するアクロニカルな物語や、物語の現実を絶えず揺さぶる信頼できない語り手、東京の存在がありました。
原作者であるアレックス・ピナから韓国版リメイクの許可を得て、『ペーパー・ハウス・コリア: 統一通貨を奪え』は6月24日に最初の6エピソード(パート1)を開始しました。
イッき見しましたが筋書きは、オリジナル版とほぼ同じながら、韓国作品の沼にハマってる小生にはメチャ面白かったです。
舞台を近未来に置いてるとこも良かったし、現在の南北朝鮮の共同警備区域が共同経済区域になったなんて隣国日本に住む身としては嬉しい展開。
その分断されていた地域が統一の象徴となり、新たなビジネスチャンスと統一造幣局で印刷される共有通貨が約束されるってある意味、うしろメタファー(みうらじゅんが作った造語)も感じるかな。
というのも、物語の背景は、統一後の低賃金出稼ぎ労働者の搾取や、持てる者と持たざる者の格差の拡大に幻滅した統一経済研究会の教授が、8人の窃盗団を集め、統一造幣局で4兆ウォンの強盗を行うと云うもの。
そして、8人の盗賊団を結成し、統一造幣局で4兆ウォンの強奪を実行する。
韓国は時に、自らの野望に囚われているように感じるのは否めない。
メイン・アンサンブルの各キャラは(赤いジャンプスーツはオリジナルと同じやったけど、オリジナルのダリのマスクが、今作品では、より滑稽なアジアンテイストのマスク河回【カクシ】になってました。)、無邪気さも悪も、慈悲も暴力も等しく可能だと感じている。
教授役のベテラン俳優ユ・ジテは、正義感あふれる魅力と、冷徹な操り方を好む性格の間を行き来している。
相変わらずキレイな(米ドラマ『LOST』の時と変わりない)キム・ユンジンは、彼女が演じる上級刑事ソン・ウジンが直面する計り知れない個人的な苦悩と、強盗の最中に行われる危機的な交渉のバランスを絶妙に取ってたし、
また、パク・ヘスは、『刑務所のルールブック』のときの熱いやつよか、『イカゲーム』寄りの、冷酷恐怖で権力を振るうことを信条とする恐ろしいベルリンを演じてました。
作中、ベルリンはオリジナルにない北朝鮮の悪名高い強制収容所『開城(ケチョン)』で生き延びたトラウマから、すぐに冷や汗をかく不安な人物に変貌するって感じで韓国ならではのキャラに変化してたのは見てて面白かった。
出稼ぎ労働者として詐欺や虐待に遭いながらも、静かに夢をつないでいく北朝鮮人女子、東京を『バーニング』のチョン・ジョンソが演じてたが、東京はオリジナル版のウルスラ・コルベロの方がファンキーでよかったかな。
今作品は、キャストとなめらかなアクションシーンに支えられ、目的よりも手段かな。
造幣局に入り、人質を取り(簡単な指示だが難しい『ただし誰も殺すな!』)のみ。
金を刷って脱出💨
これほど有望な背景と説得力のある世界観を作り上げたオリジナル版に、時に自らの野心に囚われ、オリジナルのメガヒットのっかり、そこから抜け出す術を失っているように感じられるのは少し残念なとこです。
もう少し躍動感ある物語に色をつけては欲しかったのは正直な意見でもあるかな。
でもまぁ、どないな物語でも、勿論、リメイクでも最も重要なことは、どんなに欠点があっても、見る人に主人公を応援する気にさせることだと思います。
小生は、彼らの視点から世界を見、彼らの勝利と敗北を共に感じ、彼らの勝利を支持するように手に汗を握った瞬間から今作品は個人的には善き作品と云わざる得ない。ただ、苦労して手に入れた半島統一を犠牲にして、私財をなげうつギャングを何で応援しトンねんと。
半島統一を犠牲にしてまで、本質的に個人的な富を求めるこの泥棒集団を応援する必要があるんか。
加え、おそらくトラウマを持つであろう人質は、この件とは全く無関係なんちゃうんか。
コナいな小生の自問は、オリジナルのシーズン1から2の結末から考えると、おそらくパート2を見たとき氷解するやろうなぁ。
氷解してほしい続編の日付はまだ未定。
韓国のNetflixオリジナル・シリーズにはハマりまくる
『愛の不時着』
『D.P. -脱走兵追跡官-』
『キングダム』
『イカゲーム』
『サイコだけど大丈夫』
『梨泰院クラス』
『ヴィンチェンツォ』
など見てきましたがが、そのアクション満載の番組が、鋭く鋭い社会批判をする能力が極めて高いことを示していると思います。
今作品の合理的で強い動機は、キャラ東京の背景かな。
北朝鮮軍を退役して、南へ移住した後、夢にまで見たBTSを気軽にみれ、豊かさを謳歌したい自らのコリアン・ドリームが崩壊するのを肌で感じた東京は、統一がもたらす経済格差の拡大と出稼ぎ労働者の窮状について訴えかける。
最初のほうで、
『資本主義へようこそ』
と述べてる。
そして、こないな経済システムの残酷さによって失ったと感じるものを何倍にもして取り戻すために、強盗は彼女の突破口となる。
今シリーズの最高のシークエンスは、実は各エピソードの最初の数分。
そこでは、各キャラのバックストーリーを垣間見ることから番組が始まり、そのため愛着ワキワキパニック現象が起こる(これまた個人的にですが)。
また、強盗団が身につける仮面は、韓国の河回(カクシ)の仮面を模したもので、これも賛否両論でるやろな。
この仮面は、韓国の『河回(ハフェって読むんかな?)』と呼ばれる仮面を模したもので、その形、姿、表情は、登場人物の社会的地位を表す伝統的な仮面だそうです。
先にも書いたように、オリジナル版では、サルバドール・ダリの仮面が、不正に直面したときの抵抗を表現しており、強盗は、資本主義の残酷な縁に最も苦しめられた人々に経済的な回復をもたらす方法だった。
喜怒哀楽いろいろな表情をしていますが、その表情の奥に言いようのない不気味さ、気持ち悪さを感じます。
それはオリジナル版と同じように、韓国からしては表現してるんかな。
でも、じっと見つめていると、憎めなくてカワイイことに気づく流石韓国作品。
強盗団は自分たちのしていることは名誉であり、善であると固く信じている。 
パート2を構成する6つの未公開エピソードは、目的が本当に手段を正当化するのか、という答えを残すために残されているんかな。
続編が待ち遠しいですが、楽しみが一つでも多いと、生きるのも少しは楽しいかな。
兎に角、面白い嵌まる作品でした。

各エピソード毎にネトフリのあらすじを抜粋しておきますが、ネタバレに抵触しますので、嫌う方はどうかお読みにならないようよろしくお願いいたします😊
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エピソード 1
1時間18分
巨額の分け前と引き換えに教授の計画に協力することにした8人の泥棒が、統一造幣局に押し入り、局内を占拠。
この事態を受け、警察は対策班を組織する。

エピソード2
1時間14分
強盗団の作戦がほころびを見せるのを待つソン・ウジン。
脱出計画に必要なスマートウォッチを手に入れるため、ユン・ミソンは大きな危険を冒す。

エピソード3
1時間8分
銃声が造幣局全体を震かんさせる。
越えてはいけない一線をめぐり、強盗団の中で意見が対立。
そのことが、思いもよらない展開を招く。

エピソード4
1時間10分
想定外の事態に直面したウジンは、医師を造幣局の中に 入れることを認めるよう教授に要求。 このピンチをチャ ンスに変えるため、 仲間とともに策を練る。

エピソード5
1時間4分
自分の計画の実行を急ぐチャムヒョクは、部下たちに驚くべき命令を下す。
警察が重要な事実をつかんだことにより、教授の作戦が大きく脅かされる。

エピソード6
1時間3分
造幣局の外で大きな騒乱が巻き起こり、この状況を利用 しようと考えるウジン。
人質たちが無事であることを世 間に知らせるため、カメラマンと自分を造幣局の中に入れるよう犯人たちに提案する。
🟥🟥🟥🟥🟥🟥シーズン1終了🟥🟥🟥🟥🟥
🚄💨💨シーズン2はよこい。🎭️
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