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ガリレオ 禁断の魔術の都部のレビュー・感想・評価

ガリレオ 禁断の魔術(2022年製作のドラマ)
3.5
約九年ぶりの新作ドラマは劇場版群には遠く及ばないものの見応えのある作品となっており、ドラマ版に付いて回っていた映像としての軽さを見事に払拭した堅実な出来となっている。
とはいえ、凶器は化学に基づいた超電磁砲とドラマシリーズに則したエピソードの選び方で大変良い。教え子を巡る事件による『ガリレオらしくなさ』を前面に展開しながら、二転三転する事件模様を適切に収めてるのも好感触。終盤の湯川の言動も印象的で、殺害予定現場と犯行現場の並行する立場の違いも相俟って、クライマックスに相応しいシークエンスとなっている。『科学は如何にして使われるべきか』と、これまでに殺人に利用され続けてきたそれを改めて定義するエピソードとしても好ましく、久方振りのガリレオのドラマシリーズの放送としてはこれまた十二分のチョイスと言えるだろう。しかしここ十年で福山雅治は映像映えする俳優になったなぁ……と勝手に感慨を覚えていたので、脂の乗った湯川学が新作で見られたのはファンとして実に嬉しかった。
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