史実と比較すると脚色がかなり加わっているようだが、ナレーションが記者のアンドレアに交代したこと含め、これはメキシコ人によるメキシコ現代史。ゆえに最後は駆け足感もややあった。この先も麻薬戦争は続くし、それは今に繋がっている。
ダンディズムがダダ漏れなアマドが実質的な主役ではあったものの、狂気に満ちたアレジャノ兄弟や、燻るチャポとマヨらそれぞれのカルテルの動きを立体的に描いた素晴らしい群像劇としてフィニッシュした。
が、チンピラ汚職警官が無謀な正義に目覚めるパートは、メキシコ現代史としてはメッセージ性があったものの、カルテルとの関係性が希薄で、ここにウェイトをあまり割かないで欲しかったというのが本音。または、アマドをクリーンで理知的な人物として描いたが故なのか。ガルフカルテルや、ストーリーにがっつり絡んでくるカリカルテルのおさらいとして尺を使って欲しかったかも。
オープニングはNetflixドラマの中で最もテンションが上がるものだっただけに今までで一番冴えないのが残念。あと、結局コカインをコカインで支払う、という意味が分からずじまい。誰か教えて。