ディズニープラスの2023年に配信されたドラマで最も素晴らしいドラマはベアー/一流シェフのファミリーレストランで決まりだな、と思っていました。
で、このドラマを東野幸治さんがラジオですすめていたので、軽く流すような感じで見たらば質は違えどベアーとタメをはる面白さに完全に心をもってかれました。
演技、脚本、演出、音楽、全てにおいてオール5です。文句なしで今年のオススメドラマの10本に推したい作品でした。
ムービングはジャンルで言えばヒーローもののファンタジー。
その手のといえばマーベルの映画、ドラマを思い浮かべますが、完全にマーベルのお株を奪ってしまう面白さ、そしてNetflixの人気ドラマ、ストレンジャーシングスに通じるような青年期の主人公達と親の物語を軸にしつつ、様々な映画をモチーフにしながら、そのドキドキときらめきが止まらない作品となっています。
ストレンジャーシングスがグーニーズやポルターガイストなど様々な映画やドラマをてんこ盛りにして面白いドラマを作っていますが、こちらはドラマでheroesにフォレスト・ガンプ、ミスターノーバディ、ジョンウィックさらにミザリーなど色々な映画を取り込みながら、音楽はストレンジャーシングスを意識していて、このテーマ曲がラストにかかると上手い事やってんな〜とニヤつきが止まらなくなります。
ハードルは高いといえば高い。20話もあるし、青春物語が1話目で展開される段階で、くすんだ40過ぎのオッサンにはこれ無理だ、と思いました。しかしくすんだ大人代表の東野幸治がなぜ激推しするのか、理由が知りたく見ていたら他国も絡んでくるスパイアクションを繰り広げながらも、非常にわかりやすいストーリーが最後まで続きます。
あれこれ考える事なく演出の意図もその回収の仕方もわかりやすいというか、もうここまでくるといさぎよいって言うくらい、スカッとしてます。
マーベルの場合はマルチバースだとか、魔法だのなんだのストーリーを追いかけながら余計な事も考えたりしなければいけないけど、こちらはひたすら一直線にわかりやすいストーリーを見てれば良い。
でも簡潔でわかりやすいから面白いのでなくて、非常に重厚な、国、生活、1人1人の人生、親子愛そして歴史という層をしっかり描いているから笑えて泣けるし、国や組織のために人生を犠牲にして一体何が残るというのか、という問いかけや本当にあった事件を扱って決して忘れてはいけない、後世に伝えていかなければいけないという高い意志も伺えてそういう部分でも心から笑えて泣けるところがありました。
日本のドラマ、VIVANTも面白かったけども、日本を壊そうとするのはなんぴとたりとも許さないなんてセリフがあったりして、その愛国心、あんまり好きじゃねーなと思ったりしたけど、やっぱりぬるま湯に浸かっていると生きてるのが当たり前で空気のようになってるから、そこからして人間力の差を感じたかな。
ドラマの中とはいえムービングの人物達の生きてる感がとても良かった。
まぁお気に入りは11話でしたね。よくぞあんなシチュエーション考えたなというか、荒唐無稽で血みどろの戦いなんだけど、血みどろになればなるだけ笑えるような展開にとにかく感心したし、エンディングがまた素晴らしくて。拍手喝采でした。バットマン最高だったなー。本当にバットマン良かったw。
結果的にこのドラマは20話は必要だったし、この長さがちょうどピッタリでしたね。いや堪能しました。
各配信サービスはドラマをたくさん制作してるけど、今年でどうやら頭打ちではないか、と言われてます。これからは減少傾向になるのは間違いなくて、おそらく韓国のドラマにも大きな影響を受けると思いますが、それでも新たなビジョンを見せてくれる韓国のクリエイターはまだまだ出てくるだろうし、それにともなって才能あふれる俳優やスターもまだまだ出てくるでしょう。
とどまる事のない勢いを見せつける、そして世界をリードする一旦を充分に味わえる今年1番の娯楽作品でした。
くすんでいる大人にも充分届いた〜。