『カンク・オン・アース 〜フィロミナ・カンクとお勉強〜』
原題 : Cunk On Earth.
製作年2022年。製作国 イギリス。
全5話 各々28分~29分。
2023年1月31日配信。
教育モキュメンタリー作品(コメディ)。
モキュメンタリー(英: mockumentary)とは、映画とかテレビ番組のジャンルの1つで、フィクションを、ドキュメンタリー映像のように見せかけて演出する表現手法。
モキュメンタリーは擬似を意味する『モック』と『ドキュメンタリー』を合成した造語であり、『モックメンタリー』『モック・ドキュメンタリー』とも云う。
洞窟から抜け出した人類は、多くの画期的な発明をし、発展を遂げていく。
リポーターのカンクは、事実上何もない状態から仮想現実に至るまで、車輪、モナリザ、原子力発電などの偉大な発明の物語をコミカルに語る。
その途中で、彼女は専門家に人類の進歩について厳しい質問をしたり、時には"真摯に"飛んでもない、加えてトンチンカンな質問をし有識者をしばしば困らせ世界を行脚する。
そして、カンクは印象的な古い遺跡の近くや博物館の中に立つ。
出演はダイアン・モーガン。
専門家は皆、模擬面接であることを承知で、質問をできるだけ真剣に受け止め、敬意を払い、自分からジョークを云わないようにと云われて質問に答えいたそうです。
ただ、専門家、有識者は本当に実在する人なのか疑問だがホンマもんなら驚きの人数が出演してた。
でも、それもまた可笑しくて。
また、フェロミナ・カンクはダイアン・モーガンが演じる実在の人物ではないけど、ブライアン・コックス(イギリスの俳優)とデヴィッド・アッテンボロー(イギリスの動物学者、植物学者、プロデューサー、作家、ナレーター)のパロディが好きな、天然おバカキャラ(失礼)を完全になりきっていた。
初めてフィロメナ・カンクというキャラを知りましたが、風変わりな皮肉が大好きなので嵌まった。
こんなに面白く天然ボケかます人はそうそういないかな。
第1話の半ば位で、彼女のユーモアが見事にトーンを決めてくれ、予想外の質問や遠回しの結論で識者も対応しなきゃならないのはカンクも専門家も明らかに楽しんでるようでした。
中にはムッとする専門家もいたが。
しかし、あらゆるフェイクの中に、あらゆるテーマに対する珠玉の風刺を見出すことができる今作品は嵌まりました。
一話が短いしサクッと時代を斜めで見れて、正史に飽き飽きしてる小生にはピッタリでした。
今作品は、単なるジョークではなく、風刺という芸術や不条理というジャンルが、今の世の中に対する重要な問いを投げかけているのだと思います。
皮肉全般を楽しんでいるのだと思う。
文明という壮大な話を、今の時代と歴史の関連性を考えるために、あざ笑うように持ってきたんかな。
このシリーズは、いくつかただ変だと思うものがあっても、全体的に素晴らしいセリフがありました。
専門家の反応も見事なモン感じるし、見てて笑える。
トンチンカンなスッとぼけた質問にウィットに飛んだ答え方をする人、絶句する人等々。
威厳ある肩書きを持つ有識者を絶句させる質問はバカげた質問でやけど、虚をついた鋭いモノがあったかな。
彼らは、できるだけ真剣にカンクの話を聞き答えてた。
その雰囲気だけで笑いが生まる。
ただ、専門家がもう少し話す時間があればよかったのですが、それがこのシリーズの目的ではないことが見終えたらよくわかるかな。
面白いモキュメンタリー作品でした。
Netflixより各お話のタイトルとあらすじを抜粋しておきます。
ご参考に🙇。
1話。
はじめに神は。。。
28分
農業から哲学、そして、中国の万里の長城まで(ところで、千里の長城を建て忘れたのは誰?)。 洞窟から抜け出した人類は、多くの画期的な発明をし、発展を遂げていく。
2話。
2つの信仰。
28分
平和、 調和、 寛容を説いているはずの宗教に影響を受け、人類が争いを始めた中世の時代。
そして、その後も戦いは何百年にもわたって続いていくことに。。。
3話。
ルネッサンスはTV中継されない。
29分
植民地主義やナポレオンなど、今回のテーマはルネサンス期。
人類が多くの戦争に突入していった歴史につい て、クラシック音楽で臨場感を出しつつ語る。
4話。
技術の台頭。
29分
近代世界を築きあげた人類は、やがてその世界を自ら破 滅させようとする方向へ。
20世紀では科学が大きく発展し、
さらに世界大戦が激しさを増していく。
5話。
争う世界。
28分
冷戦が始まる一方、人類はついに月面へと着陸。 だが、 月は旅行先としては最悪で。。。
これからやってくる不確かな未来、だがそんな未来はこの地球で起こる。