mimitakoyaki

応答せよ1997のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

応答せよ1997(2012年製作のドラマ)
3.2
このシリーズの「応答せよ1988」はすごく好きだったのですが、こちらの方はちょっとハマれず…。
シリーズ3部作の1作目。
2012年の作品なので、いろいろと古さを感じました。
逆に言うと、韓国のドラマがそれ以降どんどん価値観を時代に合わせてアップデートさせてきたということかもしれません。

ここ数年に作られてヒットした韓国ドラマをいくつか見てきましたが、ジェンダー視点を意識して盛り込んでいるのを感じます。
家父長制や女性差別の否定を男女の関係性の中でしっかりと描いていると思います。

だから、この作品見てて、高校生の時は初々しく甘酸っぱい初恋って感じで微笑ましく見てたのですが、主人公らが大人になってから魅力が激減。
互いに大声で怒鳴って罵り合うケンカが絶えず、ツンデレとかの域を超えてて見ててしんどかったし、彼女の行動に対して彼氏の方が抑圧的でモラハラ気味だったりして(気持ちはわかるけど、今の時代のドラマならこんな描き方はしないだろうな)、彼女の家の暗証番号をアレコレ試して勝手に開けて家に入るとか。
いや、それアカンやろ。
女性の意思を尊重せずに自分の思いに従わせようとする言動が結構あって、最近の韓国ドラマに見る男性像とはずいぶん違ってました。

あと、なぜか両親が娘の高校の同窓会に顔を出し、娘の同級生と懐かしく対面するけど、まだ独りなの?彼女は?などと聞いてくるシーンがあり、その同級生がゲイだったのを知らずに悪気なく聞いてるのはわかるけど、見ていてすごくいたたまれない気持ちになったし、人のプライベートに踏み込んでくるなよ!って不快に思いました。

釜山の人は気性がはっきりしてる的な言及もありましたけど、両親のケンカも聞くのもうんざりするくらいのやかましさで、ソンドンイル頼むから大声でまくしたてないでくれ…と胸焼け気味にもなりました。

そんなこんなであまり登場人物に魅力を感じず、主人公の女の子も、「応答せよ1988」の時は成績悪いし能天気だけどほんとに優しくて正義感も強くて、人としての可愛らしさや魅力を十分に感じられて愛せるキャラでしたが、今作のシウォンはそういう芯にある優しさとかがあんまり感じられず魅力に乏しかったし、ずっと海原やすよともこにしか見えなかったです…。

一番好きだったのはジュニですね。
シウォンの追っかけにも付き合ってくれて、誰にでも優しくて穏やかで思慮深く、でも心に秘めた思いはずっと伝えられず、本当の自分を誰にも見せれなかったのがすごく切なかったです。
今の時代なら彼の描き方ももっと違ってたんだろうなとも思いました。

「1988」では大学の受験勉強でめちゃくちゃ大変そうでしたけど、本作も高校3年生で受験を控えていましたが、進路の悩みや受験勉強の辛さはあまり描かれてなくて、ソウルと釜山との違いなのかどうなのか、その辺りが気になるところです。

釜山なまりはかなりみんな強かったけど、そういうのは味があってとても良かったです。
韓国ドラマの今昔を見れて興味深かったです。

16
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