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ハピネス -守りたいもの-のmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

ハピネス -守りたいもの-(2021年製作のドラマ)
4.0
「ドクター・スランプ」からのパクヒョンシク祭開催中です。
この作品ではパクヒョンシクがふっくらとしてて、ちょっと印象が違うのですが、ゾンビ風の感染者と戦う腕っぷしの強い刑事役なので、大柄な分より強そうで説得力がありました。

高校の同級生だったセボムとイヒョンは、公務員向けのマンション目当てに偽装結婚し、念願のマイホームを手に入れます。
ところが、そのマンションでは、謎の感染症でゾンビのようになる疫病が流行りはじめたために、完全に封鎖されて外部から孤立するというストーリーです。

孤立したマンションでサバイバルするのは同じく韓国映画の「コンクリート・ユートピア」と似たところがあり、閉ざされた空間で、限られた水や食料をどう確保するのか、極限状態で炙り出される人間のエゴ、醜さ、恐ろしさが描かれています。
しかも、本作の場合は感染者に噛まれたら感染してしまうので、誰が感染者なのか疑心暗鬼になるし、次々と増えていく感染者から自分の身を守らないといけないので壮絶です。

住民達は、追い詰められるごとにどんどん醜悪さを剥き出しにしていく者もいれば、そんな時でも人間性を保ちながら、協力したり助け合ったりできる者もいて、それぞれの本質が露わになっていくのがスリリングです。

悪い奴はめちゃくちゃ悪いのですが、悪さ加減が極端なので、ちょっとリアリティに欠けるところがあり、自分さえ良ければ良くて他人を出し抜くみたいな身近な悪で怖がらせてたら、もっとゾッとしたのかもという気がします。

とにかく、セボム役のハンヒョジュとイヒョン役のパクヒョンシクがめちゃくちゃ良いんです!
セボムは特攻隊(特殊部隊みたいなやつ)だし、イヒョンは刑事だから、とにかく2人とも勇敢で戦闘力が高い!
自分の持つ力を正しく使える真の強さと優しさがとても魅力的です。
偽装結婚だから本当の夫婦ではないのですが、一緒に戦う戦友であり、そうするうちに信頼や情が深まり、互いに相手が危機に瀕したら、体を張って何が何でも守ろうとするのも胸を打ちます。

脇を固めるチョウジンやイジュニョク、ペクヒョンジンらも良かったです。
あと、掃除のおばちゃん役の方は、「ドクター・スランプ」でもパクヒョンシクと共演してて、かなり強烈な役をしてたので、この作品でも見れて嬉しかったです。
「ヴィンツェンツォ」で箸をたたいてたトロット歌手を演じたナチョルさんが良い役で出ていて、きっとこのドラマの後にもこれから活躍という時に若くして病気で亡くなられてとても残念です。
こうして元気な姿を作品で見られて良かったです。

停電中やのに玄関のオートロックは機能してるのナンデや?とか、スーパーの女の子が助けられた時、それはあまりに危険すぎるやろとか、なんか色々と終盤は設定が雑になってきてご都合主義的なところもあったのが気になりましたが、ハラハラして続きが気になるし、いつもよりふっくらしててもパクヒョンシクがとにかくカッコイイし、感染してても良いからウチにおって欲しいなーとか思ってしまいました。

10
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