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もうすぐ死にますのmimitakoyakiのレビュー・感想・評価

もうすぐ死にます(2023年製作のドラマ)
4.3
2024年の1本目はこの作品。
前半から少し間を置いて後半のエピソードが配信されたばかりですが、面白くて一気に見ました。

どんなに頑張っても就職できず、騙されたり失恋したり、金も家も失い八方塞がりで自殺した主人公のイジェが、「死」という女性から、死の重みを知らしめるために、もうすぐ死ぬ運命の人になり代わり12回の死を経験しなけらばならない罰を与えられるという話です。

主人公のイジェはソイングクですが、各エピソードでイジェが成り代わる「もうすぐ死ぬ人」役のキャストがとにかく豪華で、このドラマの大きな見どころとなっています。

前半の4話までは、それぞれのエピソードが点でしかなく、オムニバスのように描かれていますが、後半はそれらの点が繋がっていくストーリー展開がめちゃくちゃ面白い!
暴力描写が容赦なく、目を背けたくなる猟奇的なシーンもあって、そこがしんどいところではありますが、その次の展開が、そう来たか!となるので、目が離せませんでした。

最終話では、死の重みや生きることの意味が溢れて、涙してしまいました。
あなたという存在自体がどれだけ大切で尊いのか、自分では見えてなかったことがどんどん炙り出されていき、愛が可視化された時の切なさがすごかったです。

それにしても、フィルマークスのキャスト欄にキムミギョンさんの名前が載ってないのが謎です。
確かに、イドヒョンやイジェウク、キムジェウク、オジョンセなどなど、主役級の役者が揃っていますが、名脇役のキムミギョンさんは、この作品でとても大きな存在の役なので、ちゃんと名前を載せて欲しいです。

ストーリーはすごく面白かったんですけど、引っかかるところもあって。
その人が自分がもうすぐ死ぬと知らなくて突然死ぬ人ばかりでしたが、それでもイジェに乗っ取られる前のその人の人格はどうなるん⁇というのが気になったのと、確かに自殺すると遺された人達の自責の念や哀しみは壮絶なものがあるとは言え、でも希死念慮って身勝手に出てくるものでもなく、そこまで追い込まれるものがあって、そこに至る背景もいろいろあるので、自殺する人の自己責任みたいなのは、結構しんどいです。
遺された人の事も考えられないくらい、考えたとしてもそれでも死を選んでしまう程の絶望的な苦しみがきっとあるから、そこが引っかかったところです。

最後まで見ると、自殺した人を単に罰するというよりも、自分の死が何をもたらすのか、大切な人の死がどれ程のものなのかを自分が経験することでわかっていくためのものだとはわかるんですけどね。

この作品でパクソダムが乳ガンの闘病から復帰したというのがとても嬉しいです。
今後も元気に無理なく活躍する彼女が見たいです。
そして、やはりキャストがすごいだけに、それぞれの演技も素晴らしく見応えがあります。
イドヒョンのエピソードも、姿形はイドヒョンなんだけど、ちゃんとイジェを演じてるっていうのが、さすがなんですよね。
オジョンセの渋さもまた良い!
ほんとに味のある素晴らしい俳優だと思いました。

それに、チャンスンジョの回なんか特に、映像の迫力がすごくて、バイクを使ったアクションには驚かされました。
韓国作品が役者の演技、映像、脚本など、ほんとにものすごいクオリティで出してくる強さをすごく感じました。

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