都部

ブレイキング・バッド SEASON 5の都部のレビュー・感想・評価

3.6
多大な犠牲を払いながらも願っていた平穏を手に入れたウォルター・ホワイト、空席と化した麻薬王の席を手に入れるべく暗躍する彼の物語の第五幕。
彼の脅威となり得る存在がいなくなった事で物語全体の緊張感は失われフィナーレに向けた布石の準備が目立つシーズンで、目に見えて繋ぎのエピソードが多かったが鈍重と感じるような展開はなかったので淀みなく鑑賞することは出来た。ウォルターの麻薬王ハイゼンベルクとしての側面をある後戻りの出来ない所業や仕草として再提示する中で、期せずして人気キャラクターとなったマイクの活躍を描写するシーズンだったように思う。孫娘を愛する孤高の殺し屋……美味しいキャラだものな。演技面に目を向けるとスカイラーの発狂が演技として素晴らしく、彼が平穏を得た代わりに家庭環境のどうにもままならなさを払拭出来ない様子はもはやお馴染みである。『どうして麻薬の密売を始めたのか?』そもそもの行動原理を見失い、善悪の境界を失い続けるウォルター・ホワイトに未来はあるのか。
ファイナルシーズンに続く。
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