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トリハダ3の消費者のレビュー・感想・評価

トリハダ3(2008年製作のドラマ)
3.8
・ジャンル
ホラー/オムニバス

・あらすじ
上京して間も無い春奈は帰宅してすぐに何気なくテレビをつける
砂嵐の後に流れ出したのは日常に潜む恐怖を煽る不気味な短編ドラマの数々
彼女自身も何となく不安になりカーテンを閉めようとすると向かいに住む男が異様な目付きでこちらを覗き込んでいて…

・感想
心霊やオカルト、ジャンプスケアに頼らないストロングスタイルのオムニバス形式のドラマシリーズ
シリーズ唯一長編の前作に続く3作目

1作目はまだ一般的なJホラーのオムニバスっぽいベタさや実現不可能な要素があり荒削りさを感じた
2作目は描写こそ面白いけれど恐怖は薄く邦画版ソウという感じの仕上がり
そして3作目の今作
前作までが期待ほどの出来ではなく拍子抜けした部分があったので覚悟して観たんだけどめっちゃ良かった!

どこにでもいる様な人々のどこにでもある日常に潜むリアルな恐怖を手短に見せ続けそれがサイドストーリーの主人公、春奈の不安を煽っていく
構図は1作目と同じな物のエピソード1つ1つがより現実味のある物となった事でよりしっかりと機能していた
エンドロール後に明らかとなる真実も嬉しいサプライズ

そしてエピソード
今作は6話構成で登場人物や状況などそれぞれ全てがしっかりと異なる
それでいて身近な恐怖という軸が徹底されている物だから色んな恐怖のツボを1つ1つ押されていく様な感覚に陥る
中でも好きだったエピソードは
第一話「甘い誘いは死へのいざない」
第二話「雑音と無音の因果律」
第四話「概念における誤解と真実」
特に第一話はありそうに思える範疇ギリギリを攻めたオチにゾクっとする
それが全体のラストに繋がって来るのもたまらん…
第二話は話的には何て事ないんだけど身近さが最も強くそこが良い
第四話は誰もが一度は考えた事のあるであろう恐怖を誤解したまま終わらせてくるのがまさにトリハダ

視覚的には一番ゾクッとするだけに惜しかったのが第五話「貪欲な愛情に起因する戦慄」
後から状況を察するとより恐怖が増すのも良かったんだけどこのエピソードは前作とは逆に説明が少し不足していたかな
僅かで構わないからアレに至った背景を想起させる物があると良かったかも?

全体的に2ch発祥の意味コワ的な厭さがあってそれを短時間でいくつも楽しめるのがまとめ動画の様で良い感じ
次作以降もこの路線が保たれていると良いなぁ
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