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トリハダ6の消費者のレビュー・感想・評価

トリハダ6(2009年製作のドラマ)
3.8
・ジャンル
ホラー/オムニバス

・あらすじ
女子大生のユリがある日帰宅するとトイレの便座が開きっぱなしになっていた
恋人もおらず女性の一人暮らしではありえない事だったが犯罪の確証もない
そして後日、今度は使っていないのに濡れた歯ブラシが…
ユリは友人アカネの勧めで部屋に監視カメラを付ける事にするのだが…
本作はユリの様に身近に潜む恐怖に触れた者達を描く短編集である…

・感想
心霊、オカルト、ジャンプスケアを排除した有名ホラーシリーズの6作目にしてドラマ版最終作
今作も前作と同様にエピソードが配信では1つ削られていた(第三話「保身に必要な最低限の代償」)
後に姉妹番組2作と劇場版2作が製作されている

6作目という事もありネタが尽きてきたのか少々力技なエピソードが目立った今作
しかしやっぱりそこは「トリハダ」
サイドストーリーとエピソードの繋ぎ方も去る事ながら意外なオチで締め括っていてしっかりとゾクっとさせてくれる

またエピソードの方も前作までと比べるとやや弱いとはいえ繊細な恐怖や狂気の描写は健在
中でも個人的に好きだったのは第五話「天使の中にある恐るべき残酷」
“天使”が指す物がどの人物なのか、という真相の意外性もあったしそれが露わになるきっかけがまたゾクっとした
でもあれは殺したくなる気持ちも分かっちゃうよな…w

そして第六話「無欲で得た悲劇の主人公の座」
これが今作でサイドストーリーと繋がっている唯一のエピソードなんだけどその繋ぎ方が上手い
今までの谷村美月演じるサイドストーリーの主人公とは毛色の違う結末がドラマシリーズラストに相応しい

本シリーズを観ていると改めて人は見た目や普段の振る舞いでは何も分からないという普遍的な人間不信が強く煽られる
そしてそここそが最大の魅力
単なるサイコホラーというよりどこにでもいる様な人の隠された一面やふとしたきっかけから解放されてしまう狂気
それらを身近な風景に忍び込ませて来る厭さの演出が秀逸
ホラー好きの間で長く支持され続けているだけあるなぁ、と
姉妹番組と劇場版でもそういった核の部分が維持されていると良いなぁ
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