・ジャンル
サスペンス/スリラー/オムニバス
・あらすじ
とある事件で盲目となった男、林は愛する妻レイコとの間に子供が産まれ幸せの絶頂にあった
レイコは自分に似なくて良かったと語るが林はそれを君に似てるから可愛いと否定する
実際、彼女はお世辞にも美人とは言えない容姿であったが盲目の林にとって心優しく支えてくれるレイコはかけがえの無い存在だったのだが…
本作は林の様に後味の悪い出来事に巻き込まれた人々を描く短編ドラマ集である
・感想
人気ホラーシリーズ「トリハダ」と同じ製作陣による姉妹番組として橋本愛主演の「カクセイ 〜恐怖に目覚める6つのストーリー〜」の後に放送された作品
今作は2作目も製作されている
“後味の悪いサスペンス”を謳っている事から分かる様に「トリハダ」や「カクセイ」とは違ってホラー性は薄い
でもその方向転換は正解に感じた
既にネタ切れ感のあった「トリハダ」の世界観から離れ胸糞に振る事で新鮮さが得られていたので
とはいえ恐怖の要素が無いという訳ではなく特に時間を逆行させ過去を辿っていくサイドストーリーは胸糞でありながら「トリハダ」的なホラー/スリラー性がありシリーズのファンには楽しみやすい
容姿が良くない女性にさすがに業を背負わせ過ぎだろ、とは思うけど…w
そして何よりどのエピソードも出来が良い
「トリハダ」を踏襲しつつ胸糞に振った内容にはどれも厭さがあって謳い文句通りに後味が悪い
第一話「鮫島由紀恵」は隣人愛に欠けた現代社会の歪さ
第二話「横山幾三」は家族という縁がある故の許せない不快さ
第三話「村上哲也」は実際に起き得る不運の惨事
第四話「畑野のぞみ」は子供の無邪気さと闇深い現実のギャップ
第五話「内田誠」は親子愛の裏に隠された狂気
どれも毛色が違いつつコンセプトにしっかり沿っていたのが秀逸
人間不信を煽る世界観がオムニバス形式の短編集ならではの異なるツボを突いてくる形で統一されていたのがイイ
2作目もこの感じだったらしっかり楽しめそう