トランティニャン

トゥルー・ディテクティブ 猟奇犯罪捜査のトランティニャンのレビュー・感想・評価

4.0
シーズン2は観ていないが、シーズン1の成功体験を再びということで、舞台をアーカンソー州のなんにもない町に移し、マハーシャラ・アリとスティーブン・ドーフによるバディの35年にわたる捜査を描いている。

シーズン1では二つの時代を交錯させ、二人が些細なことからバディを解消するまで、その後事件に関する聴取を機にバディを復活させ事件を解決するまでを描いていたが、シーズン3では80年(35歳)、90年(45歳)、15年(70歳)という三つの時代を並行して描くという芸当に及んでいる。
それぞれに、捜査の手落ちや政治的思惑によって捜査が迷宮入りした理由があり、「ブルー・バレンタイン」を思わせる、80年と90年を対比させたラブ・ストーリーとしての面白さもあり、総じて事件によって狂わされた人生に落とし前をつけようとするバディの半生の重みも感じられる見事な構成だと思う。ただ、検事やテレビのヒアリングにより事件が「再起動」する様や、シーズンの途中で急にドンパチ(ランボー?)が始まり、ストーリーが加速する様はシーズン1と同じ。

三つの時代を演じ分けたマハーシャラ・アリの演技は当然素晴らしいのだが、当初見せたベトナム戦争仕込みの能力は発揮されず。ドーフは本作で知ったがこれまたワイルドな良い演技を見せる。ただ、ウディ&マコノヒーの強烈な個性には及ばず地味な印象。オチもこの手の事件にはありがちなものともいえる。