こたつむり

ロキ シーズン1のこたつむりのレビュー・感想・評価

ロキ シーズン1(2021年製作のドラマ)
3.0
ロキは嫌いじゃあない。
というか、コミカルな悪役として、物語に彩りを与えてくれるので好きです。大好きです…が。うーん。申し訳ありませんが、難点しか見えないドラマでした。

まず、物語部分から言うと。
マーベルの本体である映画も“多次元”の世界観に言及しますが、本作はそれが主軸。でも、その辺りが整理されていません。あまりにも説明不足で乱暴なんですよね。

また、登場人物の配置もミステイク。
本作はロキがロキでロキだからロキなのさ、という流れなんですけど(鰐には笑いましたけど)その辺りも色々と雑な仕上がり。ウロボロスの蛇のような関係は良いんですが、それでもロキの魅力を引き出せたとは思えません。

やはり、彼に必要なのは好敵手。
がっぷり四つで組み合ってくれる“筋肉”があるからこそ、輝くと思うのです。『キン肉マン』で言えば、ロビンマスクは最高に格好良いんですけど、それでも主役は担えない…そんな感じです。

そして、何よりも最悪なのは画面の暗さ。
低予算を誤魔化すためなのか、それとも制作側の怠慢なのか、あるいは我が家のテレビがポンコツなのか…それは分かりませんけど、何をしているか分からないレベルで暗いんです。見えないんです。

これはね。かなりストレスですよ。
自然光に拘る物語ではないんですから、もっと煌々とライトを焚けば良いのです。もしくは色調を操作すれば良いのです。今のご時世、後から修正なんて幾らでも出来るでしょうに。

まあ、そんなわけで。
期待値が高すぎたから…なんて言いたくない仕上がりの作品。しかも、少しでも目を離すと混乱するのは確実。目を皿のようにして脳細胞をフル回転させることをオススメします。

そして最後に。
アナウンス済なので周知の事実だと思いますが、本作はシーズン1。なので完結しません。色々と中途半端な状態で終わります(個人的にツインピークス状態と呼んでいます)ので憤慨されませんように。

というか、アメリカ式の「次のシーズンに続く…」は好きじゃあないです。シーズンという括りをしているならば、それなりの着地をしてから続けてほしいものです。
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