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コタキ兄弟と四苦八苦のkuuのレビュー・感想・評価

コタキ兄弟と四苦八苦(2020年製作のドラマ)
4.0
『コタキ兄弟と四苦八苦』
放送期間
2020年1月11日 - 3月28日されてたそうです。
Netflixにて視聴。
エピソード数 12話。
テレビ東京系『ドラマ24』で放送されたテレビドラマ。
主演は古舘寛治と滝藤賢一ってマジの兄弟みたい。
脚本は野木亜紀子によるオリジナル。

不器用にしか生きられない兄弟がひょんなことから『レンタルおやじ』を始めることで、様々な人々からの無茶な依頼に苦しみながらも懸命に生きようとするさまを描く。

『小滝一路』
       愚作詩 KUUことGEORGE

無口 寡黙 無言 不言
云いたいこと 思うところ 趣意に心づもりが
ないわけじゃない
唯唯
人に何を云うべきなのかがわからない
『苦しみ』と云う文字はあっても
苦しみは言葉にならないのかもしれない
もし そうであるならば私は黙るしかない
仮にそうなのなら黙って 祈っているしか
ないのじゃないか

今作品は愛すべき『おバカ』たち(失礼)の物語でした。
個人的には嵌まった。
タイトル(各話のサブタイトルも含め)も目を惹いたし、四字熟語のさわりだけでも知ってたらクスッと笑える。
各話のエンディングで、毎回、四字熟語の意味は軽くテロップがでる。
冒頭でなく、終わりに出るのがニクい😏。
こないな日本人独自のドラマを見ると、日本のドラマでもこのジャンルにおいては海外のドラマに劣っているわけではないことを実感します。
こんなどうしようもない不条理を真正面から書けるのは日本だけやろし、仏教用語の法話パロディともとれる。
哲学とも云える。
生きることは、苦しむこと。
四苦八苦。
今作品の『曠夫受苦』などは、おそらく勝手に四苦八苦に取り入れたんやろけど、原題ならあり得る苦しみかな。

余談ながらってか、横路ですが、
本来の四苦八苦は、
『四苦八苦する』てのは、現状がとても辛い状況、切羽詰まった様子を表す言葉で用いられることが当たり前になってるかな。
しかし、この四字熟語を紐解けば、
四苦八苦てのは、人が生きる上で避けては通れない〈苦〉の種類を表してる。
まず、四苦てのは
『生老病死』。
人は生まれる場所、条件を選べへん。
人は必ず歳を取り老う。
そして病気にもなる。
やがて寿命がくれば死に至る。
この四つが人間の根源的な苦しみであると、本来の仏教では説く。
そして八苦とは、この四苦にさらに下記の四つを追加して八苦となります。
愛別離苦(あいべつりく)
怨憎会苦(おんぞうえく)
求不得苦(ぐふとっく)
五蘊盛苦(ごうんじょうく)の四つ。
今作品のお話タイトルにもある

愛別離苦は、大切な人や大好きな人であっても、いつかは離れなければならない苦しみ。
今は小生の亡き親族も会いたいとは思うが、生きてる兄や姉と会えないのは辛いし、この苦しみは切実かな。

怨憎会苦は、逆にムチャ嫌いな奴、顔も見たくない奴でも出会ってしまう苦しみ。
名前を云っちゃいけないゴ🌑ブリと最近は会わないが、出会ったら泣く程の苦しみやろな(小生の苦しみ小っちゃ~)

求不得苦は、求めるモノゴトが手に入らない苦しみ。
メルカリで来月頭に買おうとチェックしてた商品が売れたとき、カァ~くっそ~ぉ(これまた小っちゃ)

五蘊盛苦とは自分の心や、自分の身体すら思い通りにならない苦しみ。
最近、木村拓哉を追いかけ髪の毛をアッシュにカラーリングしてんのも、どこか老いを感じてきたんかなぁ!って、今はあんまり苦しみはないかな。

ってな感じで、仏教やと、この四苦八苦は人間が生きている上で避けては通れない、根源的な〈苦〉として表してる。
しかし、そこにあるのは『苦しみ』だけやなく、新たに設けたコタキ兄弟の四苦八苦 笑。
このシンプルなメッセージが、物語を通して心に突き刺さる。
かつての『苦しみ』てのは、ほんの少し優しさを分けてくれるもの。
どうしようもない『苦しみ』もまた、時間の流れが少し和らげてくれるもの。
主人公のコタキ兄弟は、バカでマヌケで無知やけど、それでも苦しんだ分だけ心に優しさを持つ人間であるのはたしか。
現代では稀。
自分ではどうしようもない悲しみを抱えながら、それでも生きてきた人たち。
その優しさは往々にして見当違いなものですが、そんでも、その優しさは誰かとつながってる。
ふと、『袖振り合うも多生の縁』てのを思い出させてくれた。
そして、いろいろなことを経験した彼らは、自分の中の苦しみとも向き合い、それを受け入れていく。
もしかしたら、何も解決していないかもしれへん。
彼らの『苦悩』は続くんだなぁ。
それでも、彼らは生きていくんだよなぁ。
(山下清風に)
己の『苦しみ』を受け止めながら。
決して思い通りに生きられない、愛すべきおバカたちの物語でした。
最後の終わり方もナイスですね(村西監督風に)。
なんとも云えへん感慨を覚える。
コタキ兄弟のバカっぷり全開は微笑ましく笑える。
バカでなければ、あんな行動はとらないはずやん。
なんて、画面にツッコミ入れてた。
何もできない、どうしようもない家族が、ただ現実を受け入れて、少しずつ変わっていく。
そこにあるのは苦しみだけやとしても、それを受け入れることができりゃ、昨日とは少し違う明日を迎えることができる。
前に進むことができるってメッセージが伝わったかな。
それに、オープニング、エンディング曲も良かったしドラマを盛り上げてくれていた。
最近の邦画には、こういうドラマが減ってきているので、これは貴重かな。
韓国の二番煎じ寄りのが増えて残念邦画ドラマ。
こないな作品をドラマとして放送できるテレビ局があることに驚き、何故かトキメキさえ覚えたかな。
また、出演の古舘寛治、滝藤賢一、芳根京子の3人の演技がフル回転で笑かせてくれた。
笑いを作るには彼らの演技力、力量があっての事やと感心した。
正直、滝藤賢一と芳根京子はあまり好きじゃなかったが、今作品でグッと好感が持てたかな。
面白い作品でした。
最後に、あらすじを添付しときますが、ネタバレに抵触してると思いますので、お読みの際はご注意を。
※⚠️🙇‍♂️。


[第1話 「怨憎会苦」29分

元予備校講師の兄一路(古舘寛治)は、現在無職で独身。
喫茶シャバダバの看板娘 さっちゃん(芳根京子)が気になる様子。
そんなある日、8年前に勘当したはずの弟二路が

第2話「求不得苦」29分
無職の兄弟、一路(古舘寛治)と二路(滝藤賢一)にムラタ (宮藤官九郎)からきた「レンタルおやじ」の新たな依頼は、親戚のフリをして結婚式に参列 することただで飲み食いすること。。。

第3話 「曠夫受苦」29分
無職の兄弟、一路(古舘寛治) と二路(滝藤賢一)が始めたレンタル兄弟おやじに、ムラタ (宮藤官九郎)から新たなお仕事が。
今回の依頼は、男子大学生からの恋愛相談。

第4話 「死苦」29分
無職の兄弟、一路(古舘寛治)と二路(滝藤賢一)にまたもや「レンタルおやじ」の依頼が。
今回の依頼は少し長期になるからと、依頼人島須弥子 (樋口可南子)との面談から。

第5話 「愚慮弄苦」29分
無職の兄弟、一路(古舘寛治)と二路(滝藤賢一)は喫茶シャバダバで依頼人を待っていたが一向に現れない。
そんな中、一路はさっちゃん(芳根京子)が。。。

第6話「世間縛苦」29分
レンタル兄弟おやじ初めてのソロ活動。
二路(滝藤賢一)はタワマンでのホームパーティーのゲストとしてレンタルされる。
セレブたちからのもてなしに浮かれる二路だったが。。。

第7話 「病苦」 29分
レンタル兄弟おやじ一路 (古舘寛治)と二路(滝藤賢一)の新たな依頼は音信不通の女性の安否確認。
兄弟が家を訪ねるも一向に返事がない。
動く電気メーター、 ポストには。。。

第8話 「五蘊盛苦」29分
ある朝、レンタル兄弟おやじ一路(古舘寛治)が目を覚ますと事件発生。
なんと一路と二路(滝藤賢一)が入れ替わってる!?
外見はそのままに中身だけが入れ替わり、真面目な。。。

第9話 「増上慢苦」29分
夫の様子がおかしいので調べてほしいと。
レンタル兄弟おやじの一路(古 ※舘寛治)と二路(滝藤賢一)は、依頼人の夫が足繁く通う年収650万のカリスマレンタルおじさま。。。

第10話 「老苦」29分
5年前、一路(古舘寛治)の元へ瑞樹(手塚理美)という女性が訪ねてきた。
行方不明だったはずの父・幸士(小林薫)の居場所を知らせにきたのだっ た。それ以来、 一路は度々。。。

第11話 「生苦」29分
レンタル兄弟おやじ、一路(古舘寛治)と二路(滝藤賢一)。
今回の依頼人は、なんとさっちゃん(芳根京子)が同棲していたという元恋人!
復縁を迫りに来た元恋人に対して。。。

第12話 「愛別離苦」29分
母の旅館を手伝うため、さっちゃん(芳根京子)が喫茶シャバダバを辞めることになった。
突然の妹との別れに動揺を隠せないコタキ兄弟。 肩を落とす一路(古舗寛治)を尻目に。。。
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