maro

病室で念仏を唱えないでくださいのmaroのレビュー・感想・評価

3.5
ラストメッチャ泣いた。・゜・(ノД`)・゜・。

お坊さんでお医者さんというめずらしい設定だけど、実はこれが一番医療モノって感じがしたなー。

人の命を扱うってことだから、当然他のジャンルにはない緊迫感や臨場感っていうのが面白さに繋がってくると思うんだけど、"救命救急センター"っていう分野はその2つを表現するのに適していると思うんだよね。
1分1秒でも早く処置しないと死んでしまうような患者が運ばれてくるのだから。
そこは『コード・ブルー』と同じような印象がある。

それに加えて、松本照円(伊藤英明)には過去のトラウマがあって救命救急医になったという納得感しかない背景があったり、彼と濱田達哉(ムロツヨシ)の確執があったりと、いろんな人間ドラマが観られたのもこのドラマの面白いところだったと思う。

で、ムロツヨシがまたいい役どころなんだよねー。
福田雄一作品のときはコミカルなキャラの印象が強いけど、今回はシリアスでちょっと嫌な役。
でも、言い方が嫌味なところがあるだけで、本当はいいやつっていうところが物語が進むにつれてだんだんわかってくる。

彼自身も幼い頃に心臓病の手術をした経験があって、心から子供たちを救いたいと願っているというギャップに乾杯。
それこそ、『重版出来!』や『大恋愛』のときのような、いい意味で笑いのないムロさんだった。

しかも、確執があるはずのその2人が、「人を救うことで自分も救われている」という共通点があって、そこから意気投合じゃないけど、お互いを認め合う感じになるってのが、かつて敵同士だったのがいつの間にか仲間になってるピッコロやベジータ感を彷彿とさせてよかった。
その分、他のキャラクターはあんまり印象に残らなかったけど(笑)
中谷美紀も前半は存在感あったけど、終盤はほぼ伊藤英明とムロツヨシで占めてたし。

ちなみに、お坊さんでお医者さんという"僧医"ってのは実在するらしいのだけど、ドラマの中では時々お経を読んだり、説法したりするだけで、救命救急そのものには関係がなかったものの、患者と向き合うときに仏教の教えを説くことで少しでも患者の心のケアをしているというところは、設定がちゃんと活かされていてよかった。

最後の泉谷しげるのエピソードは本当に泣いた。・゜・(ノД`)・゜・。
maro

maro