Jessica

鉄の骨のJessicaのレビュー・感想・評価

鉄の骨(2020年製作のドラマ)
4.5
少し古いドラマだったのと、見始めてからの雰囲気の暗さだったり、なんか語尾が演劇調というか、全然日常感なくて普段見てる神木くんの演技というか口調とまた違ったからその辺に違和感は感じた(〇〇なんだ、なんでそうなるんだ、とかお堅め?)
でも、5話しかないから展開は早かったのと、談合が必要悪なのかどうなのか…というところ、すごく考えさせられた。
談合がないと中小企業はやっていけないから時には必要ということもわかる。でも今回の池松組みたいに、企業努力で入札額かなり抑えたのにそれでも負けてくれっていうのは違うなって確かに思った。
向井理が銀行サイドとして言っていた、"談合していた会社に融資をしていてその会社が捕まったら利益が得られなくなる"という、融資する側の話まで聞けたのも面白かった。融資する側の銀行と建設会社も、大きなお金が動く分それだけ関係性深いだろうし、相手の動きを見ておく必要があるんだなと思った。
談合に関わる政治家の話とか、裏金動かすためにどこに送金するかとか隠すかとか、そういった事も描かれていて、へーそういう仕組みなんだと興味深かった。
今現在でもきっとこういうお金が政界でも政界以外でも動いているんだろうなー。
1つの会社が潰れることによる他の会社への影響力などは特に公共案件の建設系はより大きいのかもしれない。でも神木くんが最後に言ってたみたいに、予期せぬ事態はどの会社にも起こるわけだしその責任をみんなに取ってくれ、というのは甘い気もした。
常務がめちゃめちゃかっこよかったし、柴田さんもかっこよかったなー。捕まってしまったけどきっと柴田さんはいつかこうなるってわかってたんじゃないかなーと思う場面がいくつかあった。
余談だが、人材紹介で働く中で、いろんな中小の建設会社に独自の魅力とかを聞いても正直あまり答えが返ってこないこともあった。これって、その会社独自の魅力があるってよりはやっぱり業界的に談合とか社長と役所の話とかで案件決まることが多いからそこまでその会社ならではってことはないのかな?社長のコネとかツテの部分が大きいのかな?もちろん全部はわからないけど、建設業界の大枠が見れて知れて面白かった。
たおちゃんたちがよりを戻さないのも、現実味があってよかった。大学から付き合い出してもやっぱり社会人になって違う会社で働いて人に出会ってたらそりゃ価値観変わるよね。ここは花束みたいな恋をしたに近いなと思った。
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