ペコリンゴ

すべてをあなたにのペコリンゴのレビュー・感想・評価

すべてをあなたに(1996年製作の映画)
4.0
記録。
彼らの道を変えた運命のビート。

トム・ハンクス脚本・監督。兎にも角にも名曲「That Thing You Do!」の存在が否応にも心を躍らせる青春音楽映画。

1964年、ペンシルベニアの田舎町。コンテストに出場するバンド「ワンダーズ」に代役ドラマーとして参加することになった主人公ガイは、一瞬の閃きから本来バラードであった楽曲をリズミカルに叩いてしまう。戸惑うメンバーであったがビートに合わせて完奏。彼らの代表曲「That Thing You Do!」が生まれた瞬間だ。観客は大盛況、バンドはコンテストで優勝を収め、これを皮切りに若者たちはスターダムを駆け上がって行くことになる。

いやぁ、なんて愛に溢れた作品。
音楽好きとして知られるトム・ハンクスが多忙の合間を縫って完成に漕ぎ着けた脚本だ。その思いが輝きとなって作品から放たれている、そんな風に感じるんですよね。60’sの空気感を纏った楽曲群はいずれもクオリティの高いものばかりで、中にはトム自身が作詞作曲を手がけた曲もあり。

瞬く間にスターとなり徐々に乖離を見せていく若者たちの思いは、このサクセスストーリーにどのような結末をもたらすのか?

音楽映画がお好きな方は是非。