あまのかぐや

1969のあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

1969(1988年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

ずーっと前…まだビデオレンタルの時代に観た映画。昔書いたレビューを発掘してみました。
これ、Blu-rayかDVDにはならないんでしょうか。いまや大御所となったふたりの俳優の若手時代。

ラルフ(ダウニー)とスコット(キーファー)。主演は、キーファーのほうです。

簡単にあらすじ。
仲良しルームメイトの二人は
高校を卒業し、ヒッチハイクで帰省しました。故郷の家族たちと再会するも、そのころベトナム戦争が勃発しスコットの兄が徴兵されていきます。
戦争に否定的な二人は、現実逃避から大学にすすみ、ドラッグに手を出したり、あるときはヒッピーのようにのらりくらりと放浪したり。
やがていよいよ徴兵から逃れられなくなったと分かると町役場に忍び込み、戸籍を盗み出そうとします。
無謀な計画は失敗、ラルフだけが逮捕されそのままベトナムに送られることに。
スコットはラルフの妹、ベス(ウィノナ)とカナダへ逃げる。そこでベスはスコットのあまりに現実逃避な考え方を諌め、スコットは故郷へ帰り、そこで彼は兄の戦死の知ります。

アメリカ本土に生きる、当時の家庭や若者の姿。
たぶんこんな戦場と本土、心理的にこんな距離感があったんじゃなかろうかと思う。
家族はもろてを上げて「英雄」と送り出したわけではないだろうし当時の若者は徴兵を甘んじて受けていたわけではない。

戦場の場面はいっさいでてこない。等身大の学生のいる学園生活、等身大の親子、兄弟がいる家庭。現代と摩り替えてなんの違和感もない。
それだから現代の学生に置き換えもできるし、感情移入が容易にできる。

戦場では泥まみれになって戦う兵士がいるその一方で学生がプロムパーティー開いていたり、アポロの月面着陸のニュースで盛り上がったり。
この作品中でも若者が戦争に抵抗する姿をみせますがらそれさえ、どこかパーティーじみているように見える。

反戦を訴えるやり方が、まー、骨太と対局な、なんというかヘタレてて、でもそれがかえって現実的で想像しやすくみえたのかもしれません。
祝祭ごとと戦争。パーティーと人の生き死に。背中合わせの感があるけど、どちらも「ハレ」の場として共存する国。つくづく不思議な時代、狂気の時代だと思う。

主演のさわやか大学生ふたり、青春真っ只中を演じるふたり、当時ダウニー23、キーファー22だって!!!

いまでは脂の乗り切った二大俳優が競演したら今ならものすごい濃い作品になりそうな気がして想像するとわくわくが止まりません。
若いころのダウニーのおめめぱっちり、睫ばさばさの可愛らしさは言わずもがな。
どこからどうみてもうぶな大学生スコットを演じるキーファーの童貞っぽい坊ちゃんぶりといったら。ダサ眼鏡も不思議と似合ってる。
端役ぎりぎり、当時駆け出しのウィノナライダー。ビートルジュースと同年の映画だけどちょっとまだ磨かれてない原石っぽい可愛らしさ初々しさがまたよい。小学生の時の観月ありさみたい。

ところで、本作でもダウニーがまたまた素敵にラリってます。もはやデジャブとか、そういうレベルではなく。・・・お約束?
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