あまのかぐや

エターナルズのあまのかぐやのネタバレレビュー・内容・結末

エターナルズ(2021年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

いきなり10人もの登場人物、さばききれるかしら(わたしの頭の中で…)と公開前から不安もりもりでした。マーベルシネマティックユニバース仕切り直し第1作目とされる「シャン・チー」もどこかしっくりハマらず、なんとなくおよび腰での、それでも初日鑑賞(すぐにSNSがネタバレでいっぱいになる前に、と)

うん。おもしろかった!150分越えだったようですが時間を忘れるほど没入感があった。

冒頭に10人があたかも「平成ライダー全員集合」とか「プリキュア頂上決戦」みたいにずらっと登場されたんで、鑑賞前の不安が形になってしまって「やば」と一瞬身構えてしまいましたが、その後、あっというまに「敵(怪獣みたいなアレ)」が滅んでめでたしめでたし、解散!…本筋はそこからスタートしました。

解散後、ですから10人のキャラをバラバラに、そこから紹介し、徐々に集まっていく見せ方。各時代でその人となりのふるまいや人柄をまずは個別にさっくりと見せていく。どんなマジックをつかったのだろう、いろんな時代、いろんな土地を舞台にポンポンと移りながら、それなのに分かり易く簡潔、かつ魅力的なストーリーテリング、あれよあれよという間に、個々に引き込まれる(いわゆる「推し」ができる)

そして「ノマドランド」の監督だなぁと思わせる辺境の美しい自然と印影、光の描写。これはさすがにどの時代とも捉われることなく普遍の要素だものね。そのなかで歳をとらず死なず何千年もの間地球全体を俯瞰してる彼ら。「神様」って捉え方でいいのかなぁ。前半で「オーディンのところのソーも大きくなっていまやアベンジャーズだ」なんて言ってましたね。

そう、ところどころで「これはアベンジャーズ世界の地続きなんですよ」と言うがごとく説明セリフでアテンションが入る。「サノスの指ぱっちん(この呼称が定着してしまったのか)」から「トニーの指ぱっちん」で世界の半分の人口が戻った、その時代とのこと。MCUの時系列年表の何処にこの映画を置くのか。マルチパースとかの話が出たあたりから、そんなのどうでも良くなってしまった。そのせいか「あれはこのことか」とか「あのときのアレか」なんて、見落としがないように肩に力入れて観ることがなくなったような気がする。


だから一本の映画としてとても見やすかった。マーベル過去作で培われた脚本力とか構成力とか(なんかえらそうですが)いかんなく発揮され、かつ大スクリーン映えする豪華な映画でした。色調としては「ワンダーウーマン」に似てるかなぁってちょっと思った。

だからといってわたしのなかで「大傑作・大ヒット」とは言い難い。全世代のキャラクターたちが見せてくれた物語のわくわく感や、全世界全世代普遍のヒーローとなった彼らが出てくるエンターテインメントには及ばない。ヒーローの中のひと達が白人かつ典型的なハリウッドスターばかりのラインナップとはいえ、どうしてあそこまで全世界で受け入れられ愛されたのかな。そういう時代だったからなのかな。そんな声に答えるかのように、今、この時代を意識した(し過ぎた?)ような「The多様性」ヒーローの居並ぶ姿は壮観でした。

いやみなさん、それはそれは華がある方たちでした(そりゃ解散後、ひっそり身を隠して生きるわな)ただでさえ華がある俳優さんたち、それぞれ美味しい見せ場があって眼福でした。

我らがアイドル「まぶりー」そっくりなドン・リーという方(笑)が演じる「ギルガメッシュ」が好きでした。立ち位置としてはコメディリリーフ(まさか得意技に必殺ビンタを繰り出すとは)とはいえ、天下のアンジーさまとの絡み、演技合戦はあの存在感じゃないと無理。「Stay」「大切なものだから守る」すごく単純な言葉なんだけど、彼の言葉を忘れないでいるアンジー様にあんな顔をさせるとは。あんな表情が観られるとは。アンジーさまと組ませて大正解。ふたりとも良い方向に振り切れてとても魅力的なコンビだった。カップルとか恋愛要素ではないコンビであるからまた良いね。

そうあとから考えて気になったのは、何千年も生きてきて人間の営みに紛れ込んで、だましたり嘘ついたり戦ったり、そんな姿を分厚く濃厚に観てきた彼らが、あっさり恋愛関係に落ちたり別れたり、片思いしたり…そんなんあるんかいな。ってね。ワンダーウーマンでもおもったけどね。

自分的覚書に10柱キャラ整理

●ギルガメッシュ(ドン・リー)/マ・ドンソク、必殺技はビンタ、お料理、深い愛情
●セナ(アンジェリーナ・ジョリー)/アンジ―、なんでも武器になる、白い衣装、女神アテナ
●エイジャック(サルマ・ハエック)/リーダー、あいつと話せる
●セルシ(ジェンマチャン)/時効警察の麻生久美子、物質をかえる力、水とか樹とか氷とか、何気に中心人物
●イカリス(マッデン)/目からビーム、飛ぶ、顔がいい。「The Boys」のホームランダー
●キンゴ(クメイル・ナンジアニ)/ボリウッドスター、父・祖父・代々ボリウッドスターということらしい
●スプライト(リア・マクヒュー)/こども(みため)、古代からの語り部
●ファストス(ブライアン・タイリー・ヘンリー)/人類に英知を与える発明家、夫とこどもがいる
●マッカリ(ローレン・リドロフ)/クイックシルバー的な、フラッシュ的な、聴覚障害がある少女
●ドルイグ(バリー・コーガン)/人の頭の中を操る

これで10人。なんとなくわたしのなかで印象に残っている順に。多様性をうたっているだけあり、特色ありのキャラかぶりなし、整理されてるなぁ、と思いました。すごくキャラと配役決めるまでたくさんの会議が開かれたんだろうなとも…。そしてシネコン出るところの通路に各人ソロ紹介ポスターが貼ってあったので改めて頭の中で整理できた。あ、そういえばラストの方で各人に腕輪が配られたけど、あの輪っか、「シャン・チー」のテンリングスとなにか関係あるのかしら。

で、MCUといえば、お約束のエンドロール前のふたつのサービス映像。…すみませんわからなかった(汗)「ど、どうなるのお」って続きが気になる、待ち切れないって気持ちにもならず。残念。

わたしの予想では、ゆびぱっちんで復活した時、ロン毛だったバッキーが、テレビでロンドンで怪獣と暴れるイカリスの姿を観て散髪したっての想像したんだけど(やっぱ似てるよね〜)
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