刺され、誰かの心に…
フィクションの可能性をどこまでも信じるという作品の根底に流れるテーマは「映画大好きポンポさん」と同じだが、突き抜けたフィクションで夢見心地なエンディングを迎えるあちらに対し、こちらは割とシビアな視点で描かれている。
「好きだから」の一点張りで、物事が都合良くは決して進まない。他社アニメとの競合、個性強めのスタッフ、望まないタイアップ等々、泥臭く、綺麗事だけではないその過程を省略せずにしっかりみせる。しかし、そこがとても良かったりする。
頑張るのも完成させるもの当たり前。概して仕事とはそういうものだと思う。だが、限られた予算、限られた時間、限られた環境の中でいかに良いものを生み出せるか、妥協とのせめぎ合いのなかに、携わる人たちのプロとしてのプライドがある。
面白かった。全ての働く人への応援映画だと思う。