アーシャと願いの星
ディズニー100周年の集大成ということで、さぞかし肝入りの企画なんだろうと身構えていたら、そんなに肩肘を貼らない、良くも悪くも「ちょうどよい」作品だった。
ミュージカルパートの強度はさすがのディズニークオリティで、楽曲と映像の力で物語に一気に引き込まれる。一方、悪役のマグニフィコの背景が冒頭に語られるのみで、「願いの力」に固執する理由がよくわからなかったのはややマイナス。
アーシャの父親の話も意味ありげに出てきた割には、あまり掘り下げられないなど、2010年代のディズニー映画にはあった精緻なストーリーテリングが(おそらく意図的に)欠けていると感じた。
なにもかも王道すぎて、予定調和すぎるラストも個人的には物足りないが、これまでのディズニーアニメの総決算と言う意味では、普通に楽しめたし、おそらく多くの人の共感は得られるだろう。
日本語タイトルは原題通りではなく『アーシャと星の願い』にしたほうが売れると思ったが、それはともかく吹き替え版は終始、福山雅治の顔がちらついて集中できなかった。
試写会