のん

マーベルズののんのレビュー・感想・評価

マーベルズ(2023年製作の映画)
3.6
煮詰まってない鍋料理


映画はかろうじて追えているものの、MCUのドラマシリーズをほとんど見れていないので、知らない登場人物が何の説明もなくいきなり出てきては知ってる前提で話が進むのでついていくのが大変だった。


前作『キャプテン・マーベル』はエンドゲームの直前ということもあって世界的には超絶大ヒットを記録したが、本作は北米での興行が芳しくないと聞く。

ひとえに「量産しすぎ」の一言に尽きるが、ディズニーはピクサーでも同じ過ちを犯し、スターウォーズでも同じことを繰り返して観客に飽きられていたので、MCUの昨今の凋落ぶりは15年も追いかけていた映画ファンとしては実に寂しい思い。

その凋落ぶりを本作のみに負わすのは酷だとは思うが、ルッソ兄弟のクリエイティブコントールが効いていた時代の作品と比較すると信じがたいマイナス点が数多いのも残念ながら事実。

アクション演出の致命的な下手さ、重量感のないCG、とっ散らかったストーリーなど挙げればキリがない。

移民の衝突と救済、キャロルの心の成長、といった調理次第ではいくらでも面白くなりそうなテーマを映画にぶちこんでいるのにドラマとしての盛り上がりにも欠け、終始煮詰まってない高級食材をぶちこんだ鍋を食べささせられている居心地の悪さを感じた。

エンドロールを除けば100分を切るのはMCUで最短の上映時間だと思うが、本作は逆にあと30分はほしかったところ。何もかもが中途半端で非常にもったいない。


終盤のアレだけは大爆笑。キャビンかよ。
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