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RRRの6のレビュー・感想・評価

RRR(2022年製作の映画)
4.6
日本で愛されすぎて永遠に劇場でやってるらしい。劇場で観れて良かったという率直な感想にございます。新文芸坐にて。
友情努力勝利というジャンプ文化が、王道として根強く国民に浸透している日本ではそりゃあ無敵な映画。ずーーーーっと「先の展開が読める映画」なのだが、「俺たちの期待に100%応え続ける映画」と言い換えることもできる。というかそれが良いですけど。裏切っちゃって〜!でちゃんと裏切るし、助け行っちゃって〜!でちゃんと助ける。そしてそれも全身全霊の全力投球で。とにかく"気持ち良すぎる"映画です。ここまで観客の求めるもの全部を見せてくれる映画もなかなかない。
劇中歌「ナートゥ・ナートゥ」がアカデミーを取ったけど、それはそれは爽快で。日頃の苦しみとか憎しみを忘れて、全てを開放するかのように踊る姿にこちらも心が躍る気分。アフリカ人やインド人が音楽と踊りを好きなのって、抑圧されたあの時代に、何か自分の魂を開放する瞬間が必要だったからなんだなと思うと凄くグッとくる。そして今では彼らにしか生み出さないリズム感や歌唱力全てが、アイデンティティーとして確立され、世界の憧れの的になっていることが何とも素晴らしく気持ちがいい。そしてそれはこの「RRR」自体もそうだった。小気味よい音楽と共に痛快なアクションを見せてくれる、新しくも王道をゆくこの映画自体が、映画界に巻き起こしたインドからの革命と言っていい。映画の中でビームとラーマが成し遂げた偉業を、メタ的にも成し遂げてしまう彼等の勇姿に、明転後拍手を送る他なかったです。
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