馬井太郎

ダイ・ハードの馬井太郎のレビュー・感想・評価

ダイ・ハード(1988年製作の映画)
4.0
「ダイハード」とつけられた邦題カタカナ文字から、
「DIE HARD」という原題は、私には、どうしても連想することができない。「ダイハード」として脳に焼き付けるしかない、と言い聞かせる。
ウィリスが初めて画面に映った時、あれっとびっくりした。テレビの連ドラで馴染みの顔だったので、映画にも出てるんだ、と感心したのである。イーストウッドはじめ、テレビから映画への人気スターは少なくない。
シリーズでは、この第一作が、最高だと思う。数分おきにやってくる危機・スリルは、実によく作られたものである。
印象に残る俳優が二人いる。
ひとりは、ウィリスを乗せてナカトミに向かった運転手・デヴロー・ホワイト。ピカピカのリムジンで、逃走するトラックに体当たりシーンは、爽快である。
あとひとりが、警察官・レジナルド・ヴェルジョンソンだ。パトカーで巡回中事件を知らされ、巻き込まれて、最後までマクリーンのためにたった一人の味方として活躍する。
彼をなくして生きて帰れなかったであろうマクリーンが、ビルから出てくる。このとき、初めて二人は顔を合わせ、堅い握手をする。最高のシーンにくぎ付けされた。
ホモではない、男同士の友情心意気が、これ以後、しばしば映画に登場するようになった。
エンドロールの、ちらちら雪とヴォーン・モンローのボーカルに引き込まれ、客席が明るくなるまで、立てなかった。