馬井太郎

恋の罪の馬井太郎のレビュー・感想・評価

恋の罪(2011年製作の映画)
4.0
封切り以来、10年ぶりに観た。
冒頭から眼が覚めるシーンが続く。モザイクを使わない裸体はやっぱり、いい。
実話が題材になっているとのこと、そういわれれば想い出す、あの事件・・・。

 渋谷・円山町と聞けば懐かしいなあ。道玄坂の途中で右に曲がった界隈、ラブホテルとジャズ喫茶で有名だった。いい時代の面影は、昨今姿を消してしまってどこにも見当たらないのは寂しいかぎりだ。

 カメラは、冷たいレンズで役者をなめていく。神楽坂恵、富樫真、名演技に注目すべし。涙を流すなんて、そう簡単にできることではない。目薬をさしたり、逆に笑うと涙が出るから、と指導されるが、どちらも、流れた後の涙でしかない。まさしく眼からあふれているから価値があるのだ。
 水野美紀の恋人? の存在がよくわからなかった。
 とにかく、じっくり観てほしい一作である。