馬井太郎

居酒屋兆治の馬井太郎のレビュー・感想・評価

居酒屋兆治(1983年製作の映画)
3.0
前評判を聞いて、つられて観た感想は、残念ながら、大いに期待外れであった。それは、その後、何度か観たものの、変わるものではなかった。
大原麗子の横恋慕、アルコール中毒吐血死(自殺?)が空(くう)をきる、など、いくつか、個人的には無理な描写が眼についた。
加藤登紀子の、「一度でいいから、健さんと共演したい」という切望がかなったのはいいけれど、アンマッチ夫婦、存在感が不足だった。
酒癖の悪い伊丹十三を、堪忍袋の緒が切れて殴り飛ばすくだりは、やくざ映画のキャリア、爽快感に胸が晴れる。伊丹の白い背広が、さらに嫌味を倍加させた。
焼き鳥肉を串に刺すときは、要注意である。特に、「皮」は、波打たせるように、2,3度串を通す。歯ごたえからもわかるように、けっこう固いので、素人が気を抜くと、指を刺しかねない。高倉健は、椅子に座っていた。もし、立った姿勢でやる時は、両足を開いて作業をするとよい、ということを、アルバイト先のマスターから教えてもらったことがある。
エンドロールでの、唄声を心に刻むべし。
2014年11月10日、高倉健(享年83歳)永眠。2015年、一周忌を迎える。
年月は、光よりも速いのか! あらためて、ご冥福をお祈りする。