君たちはどう死ぬか
と言ったかどうかわかりませんが、
鬼才ギャスパーノエが描く「老いと病、薬と死」終焉の渦。
毎度、正視に耐えない悲惨な状況、展開が多いのですが、
今回はいつになくPG12指定という甘々のあまちゃん指定。
どういうことだ?と思いましたが、、、、
今回も安定の悲惨な状況でした^^;
しかしながら「正視に耐えない」表現とその質が今まで以上に現実的なのかもしれません。
心臓病の夫
認知症の妻
多重介護に翻弄される息子
家族が、緩やかに終わりを迎える様を描くのですが。。
「それぞれの思い」を持つ夫婦、あるいは親子を徹底した「分割画面」で表現。夫婦同じ場所にいる時でさえも分割は続く。
徹底的に分割することで、状況的な分断、精神的な断絶も表現していたように思います。
ギャスパーノエ作品は常に映像が主題を語ります。
それも誰もやらないやり方で。
これを体現する形で、トリッキーな構図な中、分断された家族の心が終焉に向かっていく様は、言葉で語る以上にいつになくセンチメンタルな心情が露わになっていたように思えました。
映像のみならず、心のヒダを逆撫でする表現は健在。
細かい部分はネタバレになりますが、
この苛立ちめっちゃわかるわー。なあるある表現。
共感性高すぎてもはや笑いに昇華されていました。
お話しの流れはいつになく緩やかな展開。
正直一回気絶したことは告白します^^;
ただ、毎度思うことなんですが、
ギャスパーノエの映画はほぼ100%禍々しい話なんですけど、
露悪的なものの奥にある1%のセンチメンタリズムみたいなのを感じていましたので、今回のこうした展開も全く矛盾がないブレない作家性を貫いていたと思います。
この後は何を撮るのでしょう。ある意味で辿り着いてしまった感はありますが、その先が気になります。