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エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンスのuneoのネタバレレビュー・内容・結末

4.0

このレビューはネタバレを含みます

本国公開から遅れること一年。ようやく海を渡ってきた作品。
正直、昨年話題になっていた時の方が期待感も大きくて、今だと完全にオスカー効果を狙ってる時期だから、冷めた気持ちもありながらの鑑賞。
エヴリンはミシェル・ヨーだからこそ演じられる役なこともあってハマってたし、ジョイ役のステファニー・シューがいい味を出してたし、ウェイモンド役のキー・ホイ・クァンの復活劇という観点からも役者たちが輝く作品で、楽しかった。ただ、ハイコンテクストで映画好きじゃないと楽しめない部分もあるのはマイナスと捉えるひとも居るかも。
バースジャンプするきっかけが滑稽だし、久々に下ネタ満載で思わず笑ってしまったし、チープみがあるからこそのマルチバース描き方が秀逸で、飽きさせないけど、章立てのテロップは逆効果というか、1パート目が長い構成だからか、体感としてちょっと長尺に感じてしまった。
でも、クィアの要素を取り入れつつも、こんなに愉快な作品に昇華していること自体が面白いし、昨今の日本に於けるクィアを取り巻く状況に干からびそうな心を潤してくれる、ひとに寄り添う優しい一本。
クライマックスはうるっとするし、最高ではないかもしれないけど、心に残る作品。
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