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君たちはどう生きるかのuneoのネタバレレビュー・内容・結末

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)
4.3

このレビューはネタバレを含みます

公開から1ヶ月、ようやく鑑賞。
賛否が分かれてるし、解禁されてる情報がほぼない状態だったから半ば不安な気持ちで観に行ったけど、蓋を開けてみたらめちゃくちゃ面白かったから、否定的な意見が出てることがちょっと信じられない…
タイトルから連想するイメージだと説教くさいのかと思ってたけど、そんな要素は皆無だったし、宮崎駿が映像作家として表現したいことがそのまま表出した作品という印象。
だからストーリーはあってないようなものだし、理路整然としてないから、そこに引っかかるとつまらないって感じるひとが出てくるのかもしれない。辻褄が合わない部分ていうのも結構あった気がする。
でもそれらを凌駕するイメージの創出が見事すぎて、自分は夢中になって観てた。ある意味クリエイティブとは何ぞや、という根源的なテーマもあったと思うし、母親の面影を追うというのは宮崎駿自身を重ねていたりもするんだろうし、そのあたりが渾然一体となったまま表現されているから、圧倒されたのかもしれない。
キャラクター造形は今までの作品からの流用が多くて目配せになってて、ある程度は歩み寄ってくれてる感じはあったような。インコとかアオサギはちょっと笑っちゃうくらいの適当加減。ワラワラもかわいいけど、極限まで削ぎ落としたデザインだよね…
戦時下という時代設定が奇しくも現在とリンクしているあたり、やっぱり一流の作家は半歩先を見据えているのかな、とも思ったり。そこまで深い意味が元々はなくても、得てしてそう見えてしまうという例。
正直そんなに期待してなくてあんまりいい席じゃなかったから、もう一度劇場でちゃんとした席で観直したい。
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