2022/11/11㈮、 TOHOシネマズ新宿、スクリーン9、07:00〜09:20上映回で鑑賞。朝一の上映&複数のスクリーンで上映だからか客入りは3割程度だった。
良かった。想像以上に楽しめた。
新海監督の前作「天気の子」が私には合わなかったので、期待値ゼロの状態で鑑賞したのが良かったのかも。
(先週までインド映画の「RRR」をリピート鑑賞していたので、体がカレーとは正反対の和食映画を求めていたことも影響しているかも)
まず新海監督の初期作品や「天気の子」で見られた様な無責任な大人や社会を露悪的に描写する場面が皆無なのが良かった。
これがあると私は登場人物の知能が物語の都合でデチューンされた様に感じられて感情移入がし辛くなってしまう。(「天気の子」では監督が先祖返りしたように感じられてう〜んってなった)
作中に挿入歌がほぼ流れないのが良かった。これならミュージックビデオと揶揄されることもなさそうだ。
物語がちゃんとミクロな出来事→マクロな出来事→最後はミクロな出来事で終わっていて、広げた風呂敷をしっかり丁寧に畳んでまとめているのも良かった。
物語のスケール感は「君の名は」や「天気の子」などの最近の作品に比べるとやや小さく感じられたが、逆にそれが良かった様に感じた。
小説家でいうと文学作品なら村上春樹的な、大衆小説なら恒川光太郎的な世界観が私の性癖にクリーンヒットした、ということもある。
そして物語に恋愛要素はもちろんあるが、どちらかというと自己救済が主軸の物語であった様に感じた。個人的にはこの点が一番良かった。(これは映画会社側からすると残念なのかもしれないが)
オッサンになって涙腺緩みポイントが変わってきているからなのか、終盤のシーンは不意にウルッときてしまった。
新海監督作は「天気の子」であれっと思ったけど、この作品で軌道修正(上方修正)出来たのでは?と感じた。
この作品で一つだけ気になったのは、序盤で草太さんがブーツを脱いだらベリーショートソックスだった点だけは「?」ってなった。