2022年5月13日金曜日、TOHOシネマズ新宿、スクリーン9、08:35〜10:45上映回で鑑賞。
中央エリアの座席はほぼ満席で、全体だと5〜6割埋まっていた。客層は年齢層が高いように見えた。
結論から言うと私には合わなかった。
序盤から駆け足っぽく感じられ、いまいち物語に没頭することが出来なかった。
特に私のように「シン・ゴジラ」的な緊迫感や普遍性を求め期待値高めで観に行くと、あまり面白く感じられないのではないかと思う。
ただこれはよく考えなくてもわかる当たり前の話で、「シン・ゴジラ」の元ネタになった「ゴジラ」という作品には、怪獣映画でありながら「ディザスター映画」「ホラー映画」「反核映画」という側面があるのに対して、本作の元ネタになった「ウルトラマン」は、シリアス回ありシュールギャグ回ありホラー回ありのごった煮怪獣テレビドラマであるという点が明確に異なっている。
元ネタの時点で老舗の寿司屋とネパール人の経営するインドカレー屋くらい違っているのに、一緒にしてしまっている点がそもそも私の間違いだったのだろう。
つまり私は本能では「寿司屋に来たのにカレーライスを出された」と憤慨し不満を感じているが、実際には(理性では)「インドカレー屋に来てカレーが出された」ことに怒り出す異常者ということになる。
そして自分が異常者だと認識した上で「シン・ゴジラっぽく初めて巨大不明生物とウルトラマンに遭遇した人類をリアリティありげに描写しつつ、相克を超え団結して怪獣と戦う感じの映画」が見たかったなぁ。(幻視)
けどそんなことやっていたら映画の尺では不可能だからなぁ。
宮崎駿もそうだけど、庵野秀明は同じことを2回やることに対して忌避感があるから、シン・ゴジラの焼き直しみたいな展開は入れたくなかったというのもあるのだろう。
冒頭でシン・ゴジラからシン・ウルトラマンにタイトルロゴが変化する描写(ウルトラQからウルトラマンのタイトルロゴに変化する描写のオマージュ)によって「怪獣と現実の戦いはシン・ゴジラで既にやったからそっち見てね。省略するね!」と言わんばかりの思い切りの良さは「すげぇ!」と思ったが、それでも私は庵野秀明が描くもっと長い尺のウルトラマンが見たかった。日本映画界にもっと資金があれば…
(権利的には無理なんだろうけど、いっそのことシン・ゴジラの正式な続編にしてしまっても良かったのでは?と妄想もしてしまった。
シン・ゴジラとシン・ウルトラマン、2つの世界の相違点をあげるとシン・ウルトラマンの世界に最初に登場した怪獣は「ゴメス」でそこまで強くないし、自衛隊の総力戦で倒すことに成功しているから、巨災対も存在しない)
あと何の証明にもならないが、シン・ゴジラの初日の初回上映はエンドロール後に拍手が起きたが、本作では何も起きず客は静かに劇場を後にしていた。
自分へのメモ→IMAX版ではなくスクリーン9の通常版を選択した理由は、TOHOシネマズ新宿で「シン・ゴジラ」を鑑賞した際、初回をIMAX版で鑑賞してレターボックスになってしまっていた経験&庵野秀明が確かシネスコサイズに拘りを持っていたはずなので大きいスクリーンの方が適していると判断した為。