通りすがりのナポリタン

すずめの戸締まりの通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

すずめの戸締まり(2022年製作の映画)
3.7
新海誠監督の最新作!圧倒的な映像美にやられました!鈴芽ちゃんと一緒に色々な所を旅する感じも楽しかった。

九州のとある町に住む17歳の岩戸鈴芽(原菜乃華)は幼い頃に母を亡くし、今は叔母と一緒に暮らしていた。そんなある日、廃墟を探しているというどこか不思議で美しい青年、宗像草太(松村北斗)と出会いどこかで1度会ったような感覚におちいる。廃墟の場所を伝え一度別れた2人だが、鈴芽は妙に草太のことが気になり追いかける。そしてそこには廃墟の中にぽつんと立っている不思議な扉があり、鈴芽はその扉を開く、そこには夢の中で見た不思議な草原が広がっていた・・・

鈴芽と草太が後ろ戸を閉めるために各地を旅するロードムービーが主軸になっており、その地区の風景や人々の優しさが新海誠の優しく繊細な映像で表されていて見飽きなかった。各地域で鈴芽とキーパーソンとなる人々の優しい関わりには心が暖かくなる。また、震災ももう1つの軸となっていた。そしてストーリーは新海誠監督作品の中ではかなりファンタジー寄りだと思った。そのファンタジーさが逆にストーリーの重々しさを払拭していたような気がした。(映画館の中に鳴り響く緊急地震速報は恐ろしいものがある)しかし、鈴芽と草太の関係性や鈴芽と叔母さんの関係(鈴芽と叔母さんの関係が少し残酷にも思えた)などキャラ同士の関係性が上手くハマらずストーリーがよくわからなくなる感じになる部分もあった。(ある意味リアルな描写なのかも?)鈴芽だけではなく、草太の周りのキャラクター達の詳細さも知りたかった。また、ラストあたりの怒涛の展開は鈴芽の旅が報われるような胸が熱くなるものがある。

鈴芽ちゃんがとにかく健気で良いキャラクター。行先での人々との関わりや後ろ戸に関わって行く中で成長していく感じも良い。草太の最初のミステリアスで人間離れしたキャラクターという認識がラストに行くにつれ徐々に人間臭くなっていく感じにキャラクターへの愛着を感じた。また、物語のキーとなるキャラクター、ダイジンも可愛くて生意気で良い笑また、草太の友達である芹澤(神木隆之介)がイキリ大学生みたいでとても愛すべきキャラクター笑とにかく良いやつです!

不思議でどこか切ない気持ちになる映画でした!また映画館で見たい