通りすがりのナポリタン

整形水の通りすがりのナポリタンのレビュー・感想・評価

整形水(2020年製作の映画)
3.5
Twitterで話題になっていたので鑑賞!思ったよりグロテスクで痛々しかった・・・笑

美人だがワガママで傲慢なタレント、ミリのメイク担当であるイェジは幼い頃から外見にコンプレックスを抱えており、ミリに虐げられる毎日を送っていた。そんなある日、新人俳優のジフンが現れイェジの目を綺麗だと褒め、イェジはジフンに好意を抱く。しかし、とあるアクシデントで出演したテレビ番組でイェジは容姿をバカにされ引きこもってしまう、そこに巷で話題になっている使用すると別人に生まれ変わるという整形水が届くが・・・

美とはなにか、そして美を突きつめた先には・・・現代のルッキズムの問題や、やりすぎた整形の問題が整形水というファンタジーな中にリアルに描かれていた。自分の事をブサイクだと思っているイェジが誰もが振り向く美人生まれ変わり、その姿に執着していき歪んでいく感じが恐ろしかった。歪んでいく中で犠牲にしていくものがきっとイェジの中では大切だった物だと考えると美という物の闇を感じる。また、かなりグロテスクな描写もあるのでびっくりした笑ストーリーはイェジがどこまで落ちていくのだろう?という恐ろしさとどこかにある期待感が織り交ざって面白かった。しかし、ラストにかけての少し無理のある駆け足感に置いてかれてしまった。(整形水ってなんだったの?笑)ラストシーンは衝撃です笑

整形水で理想の姿になる前のイェジは心優しいというイメージより、陰鬱でどこか人生を諦めかけてる感じがイライラする笑しかも、理想の姿になった後も傲慢で他者を犠牲にする感じがイライラする笑しかし、過去のトラウマもあり憎めないキャラクターになっていた。新人俳優で一見心優しいジフンはストーリーが進むにつれて謎多きキャラクターになっていて良かった。(彼は何者なの?笑)

私は自分を変えたいと思う整形には賛成だが、行き過ぎた整形はなんとなく自己満足の中には抑えられない巷に蔓延る外見主義的なものを感じる。
この映画で巷に蔓延る外見主義の恐ろしさをたっぷりと感じとれました・・・