great兄やん

バビ・ヤールのgreat兄やんのレビュー・感想・評価

バビ・ヤール(2021年製作の映画)
4.1
【一言で言うと】
「歴史の“反復”」

[あらすじ]
1941年6月、独ソ不可侵条約を破棄してソ連に侵攻したナチスドイツ軍はウクライナに進軍し、9月にはキーウも占領する。同年9月29日、キーウに住むユダヤ人全員が出頭を命じられ、郊外にあるバビ・ヤール渓谷に集められる。各方面の支援を受けた移動虐殺部隊により、多数のユダヤ人たちが、そこで2日間にわたり虐殺された...。

“虐殺”への非難か、“歴史”への悲嘆か...

人間って愚かだよな…って思うと共に繰り返される歴史の“反復”にただただ虚脱する121分。いやはや人間って、歴史から何も学びませんよね😔...

とにかく作り物でない“生”の記録にただただ衝撃を隠せない、というかよくこんなアーカイブが残ってたな…という驚きすらも感じてしまう。

ウクライナのキエフにあるバビ・ヤール渓谷でのユダヤ人虐殺...およそ3万人以上ものユダヤ人が意味もなく殺されるという非情さもだし、元はNKVD(ソ連秘密警察)が仕掛けた爆弾が起爆したテロ行為を全く無関係なユダヤ市民が被害を被るというね...なんかもう…言葉がでてこない😫

それに本物の映像だからこそ伝わる群衆の荘厳さ、それに死体や絞首刑などの生々しさ、あらゆる映像が“目撃”として眼前に迫ってくる体験はまさにフィクションなどの作られた映像からでは感じれない“迫力”が重くのしかかってくる。

特にバビ・ヤールでの虐殺から逃れたユダヤ人の証言シーンにはもう目が離せなかったです(・・;)…死を目前にして逃げ延びた人から発せられる言葉ほど重苦しいものはないですよね...

とにかくナチスによって葬られた歴史や群衆の“無念”を、膨大なアーカイブによってその“恥部”をありありと曝け出す渾身の一本でした。

確かに観ようによってはアーカイブの“羅列”に過ぎず、自分としても前半1時間当たりに関しては思考が完全に離脱しそうになった(ほぼしていた笑)が、バビ・ヤールでの虐殺を過ぎてからは目が釘付けになるばかりでしたし、知られざる歴史の“一部”を刮目できただけでも観る価値は十分あったと思いますね🤔

“歴史は繰り返される”とはよく言ったものだが…やはり“過去”を過去として認識しない人間がいる限りは平和なんて訪れないっスよ😫...