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ケイコ 目を澄ませてのFilm日記係のレビュー・感想・評価

ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)
3.5
【ケイコ「に」目を澄ませないければならない僕ら】
主人公が手話で会話を展開し、そして何の気ないシーンが続くなか、文字通り目を澄ませないと、主人公の心から置いていかれてしまうような、そんな繊細な映画であった。そのため、シーンが移り変わる直前のカットやさりげないセリフに注目することが自然と多くなった気がする。

【コミュニケーションの本質についての語りかけ】
「人の心を勝手に読まないで」「話しても解決しないこともある」
言葉の交換では、その人の真意には届かないことを教えてくれる。
微かな表情の変化やちょっとした仕草、その人が見ているものやその周りにあるもの。それに目を澄ませることが、コミュニケーションなのかもしれない。

意識的に繰り返されるケイコとコーチが横並びになる描写が、人と人が分かり合うための「位置の重要性」を感じさせてくれた。

面白さ:0.6 脚本:0.7 人物:0.8
映像:0.8 音楽:0.6
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