ミッキン

武士の家計簿のミッキンのレビュー・感想・評価

武士の家計簿(2010年製作の映画)
4.0
13年前の公開作品だけど予備知識なければ近年製作と言われても信じてしまうほど堺雅人も仲間由紀恵も今と変わらない(いい意味で)。
そのくらい主演二人の演技は安定感があったし上手かった。途中、半沢直樹やVIVANTの主人公がチラつかなくもないが、算盤を弾く所作は美しく、そろばん侍という役にリアリティが宿っている。

長い年月を描くエピソード数珠繋ぎ方式故にともするとシーンがぶつ切りに思えるが後に過去が伏線として回収されていくので全体としてまとまりある構成だった。ご丁寧に回想がインサートされるがしっかり入り込んでいる観客には答え合わせは蛇足に感じたかも。

個人的な推しは幼少時代の成之を演じた大八木凱斗だ。祖父の葬儀で皆が悲しみに暮れている中、黙々と葬儀代を計算している父・直之に放った台詞は実に感情篭っていて良かった。拾った四文銭を河原に返しに行くよう命じられ、父と衝突するシーンも泣けた。
近年も役者を続けているようだが頑張って欲しいな。

そうそう、山中崇が加賀藩主役で堺雅人と顔突合せてるんだよね。
アリと乃木憂助として13年後に再び対峙するのを知ってるだけにエモく感じたわ。