ゆめちん

オードリー・ヘプバーンのゆめちんのレビュー・感想・評価

オードリー・ヘプバーン(2020年製作の映画)
4.0
オードリー・ヘプバーン
 
オードリー・ヘプバーンについて、知っているようで実は何も知らなかったので、是非観たかった1本。
 
1929年、ベルギーで生まれたオードリー・ヘプバーンは、第2次世界大戦中にはナチスドイツ占領下のオランダで過ごす。当初はバレエダンサーを目指すものの女優に転身し、"ローマの休日" の王女役に抜擢され、一気にスターダムを駆け上がる。
 
世代を超えて愛され続けるオードリー・ヘプバーンの、知られざる素顔に迫ったドキュメンタリー。名作のシーンを入れながら、素直に時系列に沿って進んで行くので、彼女がどういう人生を歩んだのかが分かりやすくなっている。
女優としてのキャリアも映し出すが、よりプライベートの素顔に焦点を当てて描かれているのが特徴的で、名声の影に隠された本当の姿が明かされていく。
 
作品を通して分かるのは、ナチス信者だった厳格な両親への複雑な想いや、戦時中における深刻な飢餓など、この幼少期の凄まじい経験が、彼女の人生に大きな影響を与えたということ。彼女は愛情に飢えていたからこそ、周囲に対し無償の愛を与え、戦争の悲惨さを体験してるからこそ、ユニセフの親善大使となり人道支援に晩年を捧げたのだと。
 
オードリー・ヘプバーンの私生活は想像とは違いとても堅実で、外見的な美しさだけでなく、内面から滲み出てくる美しさも本作から伝わってくる。プライベートの写真が何枚も出てくるが、常に笑顔なのが印象に残る。

"ローマの休日" 以前の端役で出演した作品の映像は、本作でしか見られない貴重なもので、それを目当てに鑑賞してもいいかも。
とにかく、もう1度オードリーの作品を改めて観返したくなってしまった。
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