Filmoja

ザ・ビートルズ Get Back:ルーフトップ・コンサートのFilmojaのレビュー・感想・評価

5.0
Disney+で約8時間分ものレストアされたセッション映像が配信され、大反響を巻き起こした「ザ・ビートルズ:GET BACK」。
本作はそのドキュメンタリーのクライマックス、アップル・コアの屋上で敢行された通称ルーフトップ・コンサートの、待望のIMAX上映。

まるで当時のサヴィル・ロウに居合わせたかのような、まさにタイムトリップする圧倒的な映像と音響の臨場感。吹きすさぶ風、たなびく髪の毛、かじかむ指、街の喧騒、見つめる警官、そして何よりバンド演奏の一体感。
彼らは確かにそこにいた…69年のロンドンに!

ライヴバンドとしての真価を今一度、自分たち本来の姿を“取り戻す”コンセプトは成功とは言い難かったかも知れない。しかし屋上の彼らは崩壊直前とは思えないほど活き活きとしていて、正真正銘の生のバンド・アンサンブルをこれでもかと叩きつける光景は圧巻の一言。

彼ら自身も、結果的にこれが最後のライヴになるなんて想像だにしていなかったはず…と考えると切ないものも込み上げるけど、だからこそ一瞬の輝きに心を奪われ、いつまでも胸に噛みしめ続けるんだろうな…。

彼らが間近で演奏しているような、こんなにも貴重な映像を残してくれた当時のリンゼイ・ホッグ監督と、それを最新技術で、驚くほど鮮明な映像作品として現代に甦らせてくれたピーター・ジャクソン監督。
それをIMAXで観られるなんて、夢のような体験をさせてくれて感謝しかない。
願わくば、もっと長くライヴ演奏のみを観ていたかったけど、贅沢かな…。
余韻は「LET IT BE」のレコードで、目を閉じてもう一度タイムトリップして来よう。

Get back, Get back,
Get back to where you once belonged!
Filmoja

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