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ソー:ラブ&サンダーのFilmojaのレビュー・感想・評価

ソー:ラブ&サンダー(2022年製作の映画)
4.0
このソー快感、まさに神バトル!

…なんてベタなキャッチフレーズが思い浮かんでしまう、タイカ・ワイティティ監督によるマーベル北欧神話コメディ第2弾!(初期2作は黒歴史…?)

前作〜今作でのあらすじも劇中でさらっとコーグ(監督?)が解説してくれるので、最近のMCUにはついていけないビギナーにも親切設計。
ダーク・ワールド〜バトルロイヤル(ラグナロク)〜インフィニティ・ウォー〜エンドゲームを経て、何もかも失い喪失感に打ちひしがれる雷神ソーと、彼を励まし勇気づける愉快な仲間たち。
身体を鍛えなおしシェイプアップしたソーは、一時的にアスガーディアンズを結成して戦いの最中に身を投じるも、どこか満たされない日々…。

もう愛する者たちを失いたくない。
自ら人と距離を置き、瞑想し、自分の殻にこもる。それでも心残りなのは、元カノ、ジェーンとの破局…。

「ドクター・ストレンジMoM」での実質的な主役はワンダだったけれど、今作では新生マイティ・ソーとして再登場するナタリー・ポートマン演じるジェーン・フォンダ、いやフォスター博士が大活躍!
このジェーン・ソー、鍛え抜かれた身体で猛々しく肉弾戦をこなし、軽々とムジョルニアを操り敵をなぎ倒す姿はまさしく雷神!
これまでのMCU女性ヒーローの中でも、抜きん出て神々しい美しさ。

そんな彼女や盟友コーグ、ヴァルキリーと2匹のヤギ(うるさい)を交えつつ、神々を殺すことができる武器ネクロソードを携えた今作のヴィラン、怪優クリスチャン・ベイル演じるゴア・ザ・ブッチャーから世界を救う旅に出る。

前作からのまるでコントの掛け合いのようなコメディっぷりは健在で、サノスの“指パッチン”後のトラウマを引きずるシリアスな物語の合間合間に笑かしにかかる監督の遊び心と、趣味丸出しのサウンドトラック…特に🔫G'N'R🌹が要所で流れるテンション爆上げなシーンの連続はロックファンとしては嬉しいかぎり(何ならソーに赤いバンダナも巻いてほしかった…笑)。

前作でのZEP「移民の歌」もアスガルドの人々を鼓舞するようなイナズマ・アンセムだったけど、今作ではガンズの名曲に乗せて雷鳴のごとくシビれるギターの音色に胸を打たれ、生きる意味を問うソーの迷いと、生きる意味を与えてくれるジェーンとの邂逅に感極まり…。
シリーズ至上もっともロマンチックでエモーショナルな展開は、まさに♥ラヴ&サンダー⚡なクライマックスを迎え、どんな困難な時代でも子どもたちが希望を失わない世界であってほしい…という監督の願いが伝わったような気がした。

原作コミックでの設定や北欧神話がベースなので、実写で観る現代的な解釈だとどうしても神々の性格や永遠の門、ヴァルハラの描写にズレや違和感が残ってしまうものの、フェーズ4に入りここ近作MCUの評価がおぼつかない作品(自分は嫌いではない)に比べれば、しごく真っ当にシンプルに楽しめる久々の続編ではないだろうか。

インフィニティ・サーガを経て、唯一4作も続編製作が続くソーの大冒険。
あの印象深いイントロから始まるSweet Child O'Mineに新たな意味が加わり、これからは聴くたびに娘のことを想うんだろうな…と思うと何だか感慨深くなってしまった😌
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