カツマ

バッドランド・ハンターズのカツマのレビュー・感想・評価

バッドランド・ハンターズ(2024年製作の映画)
4.2
最強マブリーvsマッドサイエンティストが世界の終わりの果てに大激突!荒廃する大地に悪人たちが跋扈する中、最強のハンター、マブリーとその仲間たちがマンションを根城とする悪の組織をぶっ潰す。正にシンプル・イズ・ベスト。どんな設定でも安堵するほど面白い。この映画もまた良質なマ・ドンソク映画であった。

今作はNetflix製作の世界の終わりの後を舞台にした韓国産アクションムービーである。最近、日本でも劇場公開された『コンクリート・ユートピア』と原作が共通しており、『コンクリート・ユートピア』の物語の続きが一応今作ということになる。ただ、主演がマ・ドンソクということもあり、続編っぽさは皆無。完全にマの兄貴の作品となっており、『犯罪都市』シリーズなどを好きな人には間違いなくオススメできる作品だ。

〜あらすじー

医師のヤン・ギスは娘を生き返らせるため、ある研究に没頭していた。だが、その研究を完成させる前にソウルを大地震が襲い、マンションは崩れ、都市は壊滅に追い込まれた。
大地震発生後のソウルは、荒廃し、犯罪は日常茶飯事となっていた。飲める水はなく、食料もない。そんな絶望的な状況の中でハンターのナムサンとジワンは、巨大なワニを仕留め、物々交換でワニの肉を集落の人々に配給していた。その中にはナムサンたちと仲良しのスナもいた。彼女は祖母と二人暮らし。絵が得意で、ジワンはそんなスナに恋をしていた。
そんなある日、スナと祖母のもとに、水や食料を備蓄しているというマンションの人間たちが現れる。マンションの人間たちは未来ある10代の若者たちを優先して迎えることを方針としており、スナもその対象となっていた。スナはナムサンたちと離れることには懐疑的だったが、祖母の後押しもあり、マンションへの移住を決める。だが、マンションは人体実験を行うヤン医師の根城となっていて・・。

〜見どころと感想〜

原作はウェブトゥーン(スマホの画面でも読みやすいデジタルコミックの一種で、韓国から始まり世界的に普及した)という媒体で製作された『愉快なイジメ』から取られており、『コンクリート・ユートピア』の後の世界線となる。ただ、そういった続編の雰囲気が感じられないのは、やはりマ・ドンソク主演のアクション映画だからだろう。今作でもマの兄貴は最強なので、かなり安心して見ていられる。ストーリーも簡潔で分かりやすいので、あまり深くは考えずに楽しむことをお勧めしたい。

今作でのマの兄貴はナイフアクションやガンアクションも駆使しており、これまでのぶん殴り主体のアクションから飛躍して、更に幅の広いアクションへと挑戦している。共演のイ・ジュニョンは元々はアイドル出身だが、ドラマや映画へと進出している若手新進俳優の一人。ヒロインのスナ役のノ・ジョンウィもその卓越したビジュアルを駆使して、今後、更なる飛躍に期待がかかる。また、中盤から登場する軍人役のアン・ジヘのアクションにも要注目。このようにこれから楽しみな俳優が数多くキャスティングされているのも、本作の大きな魅力であろう。

マ・ドンソクと仲間たちvs新興宗教的なヤバさを宿したマッドサイエンティストと軍隊たちの激闘。マの兄貴の作品は相手がヤバければヤバいほど面白くなる。必ずマの兄貴が相手をボコボコにして勝つからである。今作もアクション映画として抜群に面白く、スカッとできるけれど、守るべき対象が敵側に囚われているため、緊迫感も強い。2時間以内で展開もかなり早いため、退屈な時間は皆無。ハラハラドキドキしながら一気に鑑賞できる、優良なエンタメ作品であった。

〜あとがき〜

韓国映画のクオリティとマ・ドンソク主演の二つの要素があれば鑑賞しない理由はなかったですね。かなり面白かったです。このキャストで続編作ってほしいですね。

マの兄貴のジョン・ウィック的なアクションも見どころで、至近距離で銃をぶっ放す姿は『犯罪都市』などでは観られないアクションでした。敵のボコられ具合もナイス。最近のNetflix映画の中でもお勧めしやすい作品かなと思いましたね。
カツマ

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