佐方和仁

NOPE/ノープの佐方和仁のネタバレレビュー・内容・結末

NOPE/ノープ(2022年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

素人目にトラウマ克服のように見えたけど、(いっさい武器は使わない、戦って打ち勝ったりしない、目を合わせてはいけないものと正面から向き合ってその姿を、正体をはっきりさせること)、でもそれ以上に収まりきれない破綻した何かが映ってた気がする。

コーエン兄弟の撮ったノーカントリーの原作小説の帯に、これは犯罪小説の形をしたブラックホールだ、と書かれていて、そうそうそれだ!と思ったことを思い出した。ノーカントリーではブラックホールのような人物とアメリカの荒野が映ってたけど、ノープで使われていたあのロケ地はどこなんだろう、行ってみたい。たぶんネイティブアメリカンの聖地とかじゃないかなぁ。

動かない雲は、映画のストーリーの流れが横の軸だとしたら、垂直軸の詩的なカットのようで、それだけ切り取ってみてもハッとする表現でよかった。あと血に濡れた子供の靴ね、あれもなぜかピタッとあれだけ立ってた、(関係ないけど風立ちぬも風が立つ)深い井戸の底から写真を撮ったり、そういうところ一つ一つ取ってもそれだけで面白い。
佐方和仁

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