佐方和仁さんの映画レビュー・感想・評価

佐方和仁

佐方和仁

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戦禍の下で(2007年製作の映画)

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ネットだと悲惨な動画や画像を一人で見ることになる、一人では痛みを抱えきれないし受け止めきれない。もしかしたらニュースでもなくドキュメンタリーでもなく、映画館に各々が集まってあの暗がりとともに映画を見て>>続きを読む

デューン 砂の惑星PART2(2024年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画の終盤は鏡写しのようだった。チャニだけは予言を信じてなかった。ポールが予言者になることも皇帝になることも反対していた。ニ項対立ではなく第三項的な動きをしそうなチャニ。やっぱりチャニがポールのことを>>続きを読む

すべての夜を思いだす(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

いい映画だったし、いい時間だった。いい時間だなと思いはじめた頃に映画が終わってしまった。
実家近くに天神楠という御神木があって、帰省したときには必ずお参りすることにしている。山の麓の斜面に立っていて、
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ジョジョ・ラビット(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

終盤でドイツ国内が、ジョジョが住んでいる街が戦禍になるシーン、今現在のガザ地区で起きていることがオーバーラップする。子供たちが爆撃に晒され、爆弾を抱えて敵兵に突っ込んでいく。フィクションではなくそれは>>続きを読む

ガザ 自由への闘い(2019年製作の映画)

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今は改善されているらしいけどその当時の海は汚染されていて本当は入ってはいけない。
ナレーションも音楽も悲壮な場面としての編集をされていたけど、でもその編集を超えて海で遊ぶ子供たちの自由が伝わってきた、
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ノマドランド(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

彼女が働いてる場所や放浪しながら見て触れてきたものが自分の見て触れてきたものと重なる、自分のことが語られてるような映画だった。新年を一人で迎えるところなんて俺じゃんあれ。

ノマドのような暮らしじゃな
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カモン カモン(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自分の子供の頃はたぶんあんなに個人としては扱われてなくて、自分にもその意識はなくて、自他の境目が曖昧で混然としてたと思う。あんなに親や近親の人たちと対話を交わした覚えがない。それだけ不自由なく安心でき>>続きを読む

オールド・ジョイ(2006年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

自分自身を見ているようだった。今でもモラトリアムからOLDJOYから抜け出せてない。
たいして映画を見ているわけではないが、映画をあまり見なくなったのもなんとなくそれがOLDJOYだと感じはじめたから
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キリエのうた(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

love letterでは山だった。ただただ真正面から撃ち抜くように山を撮っていたあのシーンが忘れられない。今回は海。あのシーンの台詞ももう一度聞いて確かめたい。"海にみんないる気がする"とか、"私は>>続きを読む

沈黙を破る(2009年製作の映画)

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兵役に就いて、戦闘兵士になって、異常なことを自分がやっていたり、問題が起こってもただ横で立って見ているだけで、だんだん慣れていってしまう、考えなくなってしまう、忘れようとする、そういうことは今自分が生>>続きを読む

君たちはどう生きるか(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画を見た後あれこれ思い起こして感想を書いていたら、自分のおばあちゃんのことを思い出した。
自分のおばあちゃんは若い頃理容師をやっていたらしい。だからもう一度他者としてのおばあちゃんと出会いなおして、
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ケイコ 目を澄ませて(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ケイコがほとんど喋らないので自分も頭の中で喋らないで見た。
パソコンの画面を見ながら一緒にシャドーボクシングをしたり、顔を顰めてみたり。
物真似じゃないけど、そうやって汲み取ろうとしたのかもしれない。
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NOPE/ノープ(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

素人目にトラウマ克服のように見えたけど、(いっさい武器は使わない、戦って打ち勝ったりしない、目を合わせてはいけないものと正面から向き合ってその姿を、正体をはっきりさせること)、でもそれ以上に収まりきれ>>続きを読む

暗殺のオペラ(1970年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

三島由紀夫みたいだなと思った。映像と音楽が素晴らしくて、一枚の絵としてじっくりと見たい、うっとりとするような美しさだった。
音楽は調べたらシェーンベルク、絵作りの方は分からないけどたぶん色んな画家のオ
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PLAN 75(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

施設へ行く途中車から降りて苦しそうに吐いて、帰る?と聞かれたのに首を振った、あれは自分の意思なのだろうか?

バックの中のお金はとってしまったのだろうか?

死を選ばずに歩いて帰ったあの先はどうなった
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スパイの妻(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

731部隊のこと勉強しないとなぁ。辺見庸の本の中に出てきた、うろ覚えだけど、人体実験に関わった人たちの笑顔、たしか実験中に他愛のない会話の中で笑い合っていたことが書かれていたと思う。
常軌を逸したこと
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シン・仮面ライダー(2023年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

面白かった、もう一回見たい、セリフが聞き取りづらいところがあったので、脚本を読んでみたい、脚本だけ読んでも面白いと思う。
人によって天国とも地獄ともとれる魂の場所、人間には耐えられない嘘のない本音だけ
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ブラック・クランズマン(2018年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

映画が終わって2017年、今調べたらトランプ政権が始まった年か。黒人の権利を主張するデモに車が突っ込んでいく、あの現実の映像にショックを受けて青ざめてしまって、映画のフィクショナルなものの力がどこかへ>>続きを読む

あのこは貴族(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

実家に帰省して、明日東京に帰る日の夜中に見た。いいタイミングと状況で見ることができた。

東京にずっと住んでるけどあんな世界があるなんて知らなかった。東京だけじゃなく地方のことも知らなかった。同窓会も
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すずめの戸締まり(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

実家の地面をスコップで掘り返すところで何か込み上げてくるものがあって少し泣いてしまった。
基礎だけ、家の基礎だけが残ってる風景、時間がたって、草が生えて、コンクリートの基礎だけが残って、野原のようにな
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音楽(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ライブ後の古美術のボーカルの人の声がめちゃめちゃ小さくて突っ伏して笑ってしまった、色々、ながーい間とかも最高だった。
大橋裕之の漫画読まねば。

重力の光 : 祈りの記録篇(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

もし自分がホームレスになったらこういう場所を頼ったらなんとかなるかなぁ、牧師さん、すごいいい人そうだしな、と思いながら見た。

自分が何をしているのかわからない、とか、足を洗わなければあなたと私の関係
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ニューヨーク公共図書館 エクス・リブリス(2016年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

図書館を訪れている人たちの、ひとりひとりの市民の顔がよく撮られていた。自分と似てる。あそこに座って黙って物思いに耽ってる人が自分の姿のような気がした。

公共というものがどうやって培われているのか。膨
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クレアのカメラ(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

昨日見たクレアのカメラ、あまりピンとこなかった。フィルマークスでリコリスさんという人の感想を読んでいたら、音楽に照らし合わせた映画の構成や構造についての感想を書いていて、なるほど!と思った。自分はやっ>>続きを読む

それから(2017年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

"信じられるものを見つけて、一生懸命生きるのは、疲れるから嫌なんですね"

"信じることを怖がるし、神を信じていると言うと幼稚だと思われます"

このあたりが聞いていて痛かった。確かに、信じることは怖
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耳をすませば(1995年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

もう4、5回は見てるかな。今回はコンクリートロードとか、保健室のところで、ふるさとってよくわからないから、と言いながら訳した歌詞をみんなに手渡すところとか、そういうちょっとしたところが気になった。>>続きを読む

さがす(2022年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

千原ジュニアと東野幸治がYouTubeで片山慎三監督の作品を爆笑しながら語ってて興味がわいて見てみたけど全然笑えない。笑ったのは前半のシスターに唾吐きかけるところくらいだった。

東野幸治のあの笑い方
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シン・ウルトラマン(2022年製作の映画)

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ウルトラマンの赤い模様とか変身して飛び出してくる時の赤とか、あの赤はいいよなやっぱり。

あとコミュ障っぽい。どうやって人間社会と関わったらいいのかわからない、どうやったら人と同じように人らしくできる
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ブリュッセル1080、コメルス河畔通り23番地、ジャンヌ・ディエルマン/ブリュッセル1080、コルメス3番街のジャンヌ・ディエルマン(1975年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ああいう形のカタルシスにいたる前に、どっか旅に出るとか山に登るとかリオのカーニバルの祭りとかがあればなんとかくぐり抜けられたかもしれないけど、でもたぶんああいうときは今夜の晩御飯を何にするかとか手紙の>>続きを読む

MEMORIA メモリア(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

ふらふらしながら映画館を出た。出た後もしばらく元に戻らなくてどうしようかと思った。ヤバい映画だった。

見た後に荘子の胡蝶の夢を思い出した。そしてさっきツイッターで千葉雅也がトゥルーズの研究をするきっ
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春原さんのうた(2021年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

湖を見てるシーンがあったけど、ああいう湖を見てるような感じで映画も見ればちょうどいい距離感じゃないかなと思った。理解や解釈をしすぎないで、なんとなく窓から外を見てるような、遠くの電車の音を聞くともなく>>続きを読む

DUNE/デューン 砂の惑星(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

木は古い夢だとか、足音で君だということがわかるとか、声を操るところだとか、自分にとっては星五つなんだよな。
遠い未来を描いてるようで何万年もの遠い過去、人間の古層に触れているようなSF作品が好きだ。
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デッド・ドント・ダイ(2019年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

アダムドライバーがダイナーに赤いミニカーで乗りつけたところとか、野生動物のてんどんのところとか、ティルダスウィントンが直角に曲がるところとか、片膝ついて手を乗せてその上に顎を乗せた仏像とか、ツボを突か>>続きを読む

シン・エヴァンゲリオン劇場版(2020年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

いろいろ思い入れたっぷりなんですが、綾波のそっくりさんの置き手紙の場面とアスカの持ってた人形の中の人がケンケンのところですかねー。
ケンケンが気になるなー、人との距離のとり方とか、不感症?みたいなとこ
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ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破(2009年製作の映画)

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このレビューはネタバレを含みます

赤い海を青い海に戻す施設で加持リョウジがセカンドインパクトのことを回想するところからはじまる音楽とシーンが好きなんだけどいつもそのことを忘れてしまう。
回想っていったいなんなんだろうな、あの超越的な視
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