とりん

MEN 同じ顔の男たちのとりんのネタバレレビュー・内容・結末

MEN 同じ顔の男たち(2022年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

2022年98本目(映画館50本目)

今注目を集めるスタジオA24が送る作品。
予告からもそれなりに不穏な予感はしたし、A24制作だからなおさら捻ってくるかなと期待はしてたけど、今年1番謎だったかもしれない。
想像してた5倍くらいネジ飛んでた気がする。
傷心した女性が心の癒しのために訪れた貸し切った屋敷、そしてその屋敷がある村で起こる出来事に巻き込まれていく。
前半の女性が村を散歩して自然に癒されたり、古いトンネルの反響で遊ぶ様とかを観ると観ているこちらも癒しと不思議な気持ちを持つが、そこに急に訪れる怪しい人影、徐々にスリラーになる感じは良かったかな。
普通に過ごしている女性の後ろ、画面に映り込んでくる裸の男はなかなかにシュールで、恐怖よりも思わず笑いそうになってしまった。
後半の気味の悪さの畳み掛けは悪くなかったし、特に最後の次々産まれてくるところはグラフィックというか気持ち悪さとリアルさが演出含めすごかった。グロさもあるけれど、さらよりもあれは誉めるべきところ。
ただ作品を通して結局なにが言いたかったのかわからず。最後の微笑みがまた不穏さを煽る。
過去の映像を交えてやるところにやはり罪の念というよりは苛立ち、夫への理解できなさがあるのだろう。夫が変わってしまったと言っていたが、結局のところ元がわからないし、彼女の主観でしかないから一概には言えない。とはいえ罪の念が少なからずあるところからあのフラッシュバックと周りからの諭されるような言葉に苛立ちさえ感じるのだろう。最後に夫が産まれてくるのはあの流れで予想はできたけど、そこもそういうことかな。
いろんなところにメッセージ性なところも感じ取れたし、ポスターにも使われている林檎に関しても、アダムとイヴ的な要素も含まれていそうではあるものの、そこまでは全然読み取りきれなかった。
ちょっとこれは他の人の感想や解説が気になるところ。
この意味のわからなさは嫌いじゃないから、こういう作品はついつい観てしまう。
あのトンネルでの反響音をそのままBGMと使うのも良かった。
とりん

とりん