とりん

TITANE/チタンのとりんのネタバレレビュー・内容・結末

TITANE/チタン(2021年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

2024年24本目

とてつもない作品だった。一貫して何が言いたいかわからない。説明もなしにぶっ飛んだまま走り抜けていく。
幼い頃に交通事故で頭に損傷を負い、チタンを埋め込んだアクレシア。大人になった彼女はモーターショーの踊り子をしながら…と言ったところで車とのファックがあり、そこから殺戮ショーが始まる。
欲に駆られているかと思いきや急にスイッチが入ったように殺すのがあまりにも狂気的で、観ている側を置いていく。
指名手配となった彼女は鼻を折り、自分の顔と似ていた行方不明になっていた息子になりすます。未だなくした息子の幻影を追うヴィンセントと一緒に暮らすことに。しかもアクレシアは子どもを身籠もっていた。

女性がさらしなどを巻いて男性になりすますなんてのはある話だけど、妊婦がそれをやり遂げるはあまりに不可能。
しかしそれをも受け入れるヴィンセント。アクレシアもアクレシアだが、ヴィンセントもなかなかにおかしい。
結局は自分の息子ではないとわかっていながらも息子を重ね一緒にいることを選ぶ。

なんだかドラマがありそうだけど、そんなことはない、ひたすらに何を見せられてるんだくらいのノンストップ何かが壊れているような映画だった。
最終的にオイルまみれの中から産まれたのは同じくチタンの身体を持った赤子。
アクレシアの胎盤はチタンで皮膚を突き破ってくる。
もう意味がわからない、それを貫き通し、最後の最後まで置いてけぼりにさせられた感がすごい。なのに映像から目が離せないのもすごい。
発想と魅せ方がぶっ飛んでる作品だった。
とりん

とりん