まちゃん

フランケンシュタイン対地底怪獣(バラゴン)のまちゃんのレビュー・感想・評価

3.6
第二次世界大戦末期、ドイツから日本にフランケンシュタインの不死身の心臓が軍事研究の為に送られてくる。しかし、原子爆弾の投下に紛れて行方不明に。15年後、謎の浮浪児が発見される…。怪しげな薬品が並ぶ研究所。マッドサイエンティスト。そこへ乗り込んでくるナチス。冒頭から怪奇映画の雰囲気たっぷりだった。SFホラーではなく怪奇。この独特のテイストが好きな人にはたまらないと思う。この作品ではモンスターを生身の人間が演じている。つまりフランケンシュタインはあくまでも人間なのだ。人間によって作られて人間の作った原子爆弾の影響で巨大化して怪物として扱われる。フランケンシュタインを人間が演じているが故に科学者達の身勝手さや残酷さが浮き彫りになっているのは興味深い。原子爆弾が誕生のきっかけになっている点も含めて風刺的で初代ゴジラの血を引いている作品だと思った。特撮面では冒頭の原子爆弾投下シーンが良く出来ていて印象に残った。また怪獣映画の中では怪獣が小さく設定されている為にミニチュアをより細かく見る事ができてその精巧さには感心する。モンスターの哀しみを描いた掘り出し物的作品だと思う。
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